アメリカ大統領のシンボルとして最も広く知られているものの1つに、大統領専用機「エアフォースワン」があります。世界各地を訪れる大統領を目的地に送り届けるこの飛行機は、移動する司令部であり、執務室であり、そしてホテルでもあります。

 

エアフォースワンの中で談笑するオバマ大統領とパトリック・レイヒー上院議員夫妻 (White House)

エアフォースワンの中で談笑するオバマ大統領とパトリック・レイヒー上院議員夫妻 (White House)

エアフォースワンに初めて乗った大統領はジョン・F・ケネディ大統領で、1962年のことでした。現在、オバマ大統領が使用している機体は、ワイドボディ機のボーイング747-200B型2機で、ジョージ・H・W・ブッシュ大統領の時代から使用しています。2機はどちらを使っても機能は同じなので、常に予備の機体が存在していることになります。専用機には、有事の際に大統領の執務に必要なものが全て備えつけられています。

エアフォースワンの窓から外を見るオバマ大統領と側近の息子たち(White House)

エアフォースワンの窓から外を見るオバマ大統領と側近の息子たち(White House)

エアフォースワンは3階建てで、総面積は約370平方メートルです。手術室にもなる医務室があり、医師が常に搭乗しています。一度に100人分の食事を用意できる調理室もあります。広い会議室は食堂としても使用できます。

(3)機内でミシェル・オバマ大統領夫人、ヒラリー・クリントン前国務長官、オバマ大統領のスタッフ、閣僚、ローラ・ブッシュ前大統領夫人に、自らが描いた絵を見せるジョージ・W・ブッシュ前大統領 (White House)

機内でミシェル・オバマ大統領夫人、ヒラリー・クリントン前国務長官、オバマ大統領のスタッフ、閣僚、ローラ・ブッシュ前大統領夫人に、自らが描いた絵を見せるジョージ・W・ブッシュ前大統領 (White House)

機内には、補佐官をはじめシークレットサービス、記者、ゲスト用のスペースもあります。空中給油も可能で、先進的な通信機器が装備されています。

(4)ジョン・ケリー国務長官、スーザン・ライス大統領補佐官(国家安全保障問題担当)らとエアフォースワン内の執務室で会議をするオバマ大統領 (White House)

ジョン・ケリー国務長官、スーザン・ライス大統領補佐官(国家安全保障問題担当)らとエアフォースワン内の執務室で会議をするオバマ大統領 (White House)

大統領専用室には、寝室、浴室、トレーニング室や執務室などがあります。

 

専用機を整備しているのは、ホワイトハウスから16キロメートルほど離れた場所に配備された第89空輸航空団の整備士たちです。セキュリティーの厳しい格納庫で最低でも週に一度、手作業でワックスがけをするため、いつも機体には汚れが見当たりません。

機内で愛犬「ボー」と遊ぶオバマ大統領 (White House)

機内で愛犬「ボー」と遊ぶオバマ大統領 (White House)

通常、エアフォースワンが目的地に到着する前に、複数の輸送機が大統領専用車や警護車両、時には解体した大統領専用ヘリコプター「マリーンワン」を運びます。

オハイオ州ノースカントンでエアフォースワンに搭乗するオバマ大統領 (White House)

オハイオ州ノースカントンでエアフォースワンに搭乗するオバマ大統領 (White House)