世界各地からアラスカを訪れる観光客が増えています。その理由は言うまでもなく、手つかずの自然を満喫できるからです。

アラスカ観光協会によると、16万7000人を超える外国人観光客(カナダ人を除く)が2016年6月~9月にアラスカを訪れており、2011年同期の15万人4000人を上回りました。1年のこの時期に人気が集まるのは、昼間の時間帯が最も長くなるからです。6月21日のアンカレッジの日照時間は19時間、フェアバンクスは22時間でした。

アラスカを訪れる外国人観光客では、ヨーロッパ人が最多で、全体の38%を占めています。しかし、州観光協会の報告では、中国、インド、オーストラリア、ニュージーランドからの観光客も増えています。

アラスカ沿岸の町(シトカ、ジュノー、ケチカン)を周遊して、人気のあるグレーシャー・ベイ国立公園に向かう「インサイド・パッセージ」クルーズ船から氷河を見る観光客 (© Shutterstock)

アラスカ探検にでかける観光客のお目当ては、次のアクティビティーです

アドベンチャー

キンケイド公園(アラスカ州アンカレッジ)のスタジアムで、整備された雪上を滑走するスキーヤー (© Bill Roth/Anchorage Daily News/MCT/Getty Images)

アラスカには8つの国立公園があり、クロスカントリースキーをしながら山や氷河の景色を楽しむことができます。また、カヤック、バックパッキング、氷河トレッキングや登山、ラフティングなども楽しめます。海でのオヒョウやキングサーモン釣り、また川、小川、湖ではフライフィッシングで人に自慢できる大きなマスを釣り上げるのも、観光客に人気のアクティビティーです。

野生動物

(© Shutterstock)

アラスカは、野生動物の観察に最適な場所です。例えば、北極海沿岸に近いコンガカット川では、ラフティング中に、グリズリー・ベア、シンリントナカイの群れ、イヌワシに出会えるかもしれません。原生林の中には多くのロッジがあり、そこに宿泊すれば、人里離れた場所で野生動物を存分に観察できる機会に恵まれることでしょう。

風景

絶壁沿いをアラスカ州スカグウェーに向かって走るホワイト・パス&ユーコン・ルート鉄道 (© Shutterstock)

鉄道ツアーは、アラスカ観光の目玉で、安全で快適な列車の窓から刻々と移り変わる景色を楽しむことができます。アラスカ鉄道は、ケナイ半島のスワードから北に向かって延び、アンカレッジ、タルキートナ、デナリ国立公園、フェアバンクスを結び、全長756キロメートルあります。

オーロラ

アラスカ州アンカレッジ西部にあるポイント・ウォロンゾフ国立公園の上空にかかる華麗なオーロラ (© Bob Hallinen/Anchorage Daily News/MCT/Getty Images)

9月中旬から4月後半にかけて、自然が生み出す北極圏の壮大な光のショー、オーロラを求めて多くの観光客がアラスカを訪れます。快晴の夜空に、緑、青、赤、紫色の光が、まばゆい光を放ちながら、星をちりばめた一面の夜空を背景に「ダンス」をしているように見えます。オーロラの光は、実際には、太陽の大気層から放出された荷電粒子が、地球の大気にあるガス粒子と衝突して発生します。

アイディタロッド犬ぞりレース

アラスカ州ホワイトマウンテン市の郊外で、アイディタロッド犬ぞりレースのゴールの町ノームを目指して犬ぞりを走らせるアメリカ人の犬ぞりつかいミッチ・シーベイ (© Bill Roth/Anchorage Daily News/MCT/Getty Images)

毎年3月に開催されるアイディタロッド犬ぞりレースは、多くの観光客でにぎわいます。「マッシャー」と呼ばれる犬ぞりつかい1人と16頭の犬からなるチームが、8日から15日間かけて、アンカレッジからノームまで推定1688キロメートルの整備されたトレイルを走る長距離レースです。ほとんどのマッシャー(毎年約50人が参加)はアラスカ出身ですが、近年では、14カ国の選手がレースに参加するようになりました。

「アラスカは、外国人観光客にとって理想的な観光地です」とアラスカ観光協会職員のターニャ・カールソンさんは言います。「彼らは、旅の仲間と余暇を楽しく過ごしながら体験できる場所を求めると同時に、野生動物の観察や遊覧飛行ツアー(飛行機をつかった観光)など、新しいスタイルの冒険を求めています」