クリスタル・トリン カリフォルニア大学ロサンゼルス校

残念なことに、新型コロナウイルスの感染拡大のため、私を含む多くの1年生はいまだにキャンパスに足を踏み入れられない日常が続いています。伝統的に発見と自由の時間である大学は、パソコン上の小さなズーム画面に閉じ込められています。多くの1年生は、大学生活というものを少しでも感じようと、学校生活を伝えるユーチューブの動画を見たり、先輩たちに大学のことを聞いたりしています。このような話から得た情報には、一つの共通テーマがあります。「ボバ」が学生文化にとって不可欠な要素だということです。

ボバは台湾発祥のミルクティーのことで、アメリカに上陸すると大ヒット商品となりました。「タピオカティー」、またはシンプルに「ボバ」と呼ばれ、あらゆる世代に人気の飲み物です。中でもボバの熱烈なファンは大学生です。

野外のカフェでボバを楽しむ学生 (Jaren Jai Wicklund/Shutterstock.com)

野外のカフェでボバを楽しむ学生 (Jaren Jai Wicklund/Shutterstock.com)

多くの学生街ではいたるところにボバティー専門店があります。それに加えて、若者向けにさまざまな関連商品も発売されています。例えば、アクセサリー店では小さいタピオカティーがぶら下がったイヤリング、アイスクリーム店ではフローズンタピオカミルクティーが売られています。UCLAでは、数人の学生がハッカソン(学生がチームになって短い時間でプロジェクトを完成させるイベント)で、ボバの支出額を追跡するアプリを開発しました。ボバのレビュー投稿に特化したインスタグラムアカウントは人気が上昇し、ホームセンターの中にはボバをモチーフにした照明を販売するお店もあります。

では、ボバとはそもそも何でしょう。90年代のボバ専門店は紅茶パウダーと牛乳を材料に使っていましたが、現在は台湾スタイルの紅茶の淹れ方に戻って本物の味を広めていると、カリフォルニア大学デービス校で文化研究を専攻する博士課程1年生のエンジェル・トラゾは言います。

伝統的な台湾ボバティーは、タピオカ、クリーム、紅茶の3つで作られます。ところが、ボバティー専門店がアメリカ各地で増える中、ボバガイズの「ストロベリー抹茶ラテ」やアーバンリチュアルズの「クレームブリュレティー」といった新作が登場し、多くのボバティーファンの興味を掻き立ててきました。新しいフレーバーと一緒に、ポッピングボバ、フルーツゼリー、さらには泡立てたチーズなど、新しいトッピングも提供されるようになりました。アメリカは、多様な大学生たちを魅了する多種多様なボバティー発祥の地となっています。

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ボバティーはおいしいだけではありません。トラゾによると、年配の人たちがおしゃべりを楽しんだり仕事をしたりするカフェと違い、ボバティー専門店には、甘い紅茶をうれしそうに飲む子どもから、勉強できる場所を探す大学生まであらゆる年代の人たちが集います。これは私の友人が証明しています。図書館が混んでいる時、ちょっとゆっくりしたい時、そして夜に小腹が空いた時に、学生たちはボバのお店に立ち寄っています。また、シンプルあるいは落ち着いたインテリアで、洗練された雰囲気を醸し出すカフェとは対照的に、ボバ専門店は明るい照明とパステルカラーを基調とした内装で、カジュアルで楽しい雰囲気を提供しています。ボバティーを片手に勉強する。多くの大学生にとって、ここはおしゃべりや勉強のための落ち着ける場所なのです。ボバはアメリカの大学生活と学生文化において既に不可欠です。きっと今後もこの傾向は変わらないでしょう。

バナーイメージ:アーバンリチュアルズの「クレームブリュレティー」(左)と ボバガイズの「ストロベリー抹茶ラテ」(右)