アマン・マジュムダール シカゴ大学

高校時代の私は、最終学年になるまで優秀な生徒ではありませんでした。

成績がネックとなり、シカゴ大学などトップ校への進学はかないませんでしたが、今年シカゴ大学の編入試験を受け、合格することができました。

この経験から、合格と不合格を分ける違いを理解しました。

シカゴ大学のキャンパス。ゴシック様式の建物が見える (EQRoy/Shutterstock.com)

シカゴ大学のキャンパス。ゴシック様式の建物が見える (EQRoy/Shutterstock.com)

大学出願の3つの重要要素は、成績、課外活動、エッセイです。いずれも出願者の魅力を伝えるものです。

成績

ほとんどの大学で良い成績は必須条件です。近年は大学入試競争が激化しているため、多くの生徒は高校時代ほぼ「オール5」の成績を収めています。

たとえ成績が悪くても心配はありません。成長を見せた出願者は、成績優秀な出願者と同じくらい有利です。実際に私がそうでした。高校最初の3年間の成績は芳しいものではありませんでしたが、最終学年ではほぼオール5となりました。そこで、合格となった出願エッセイでは、自身の成長と反省に焦点を当てました。

課外活動

課外活動は、成績証明書の数字には表れない出願者の魅力を伝えるものです。自分が長期にわたり情熱を注いできたことを示すものであれば、どんな活動でも大丈夫です。研究者を目指しているならば、地元の大学で研究活動を行って論文を出すのもいいでしょう。数字に魅力を感じているなら、国際数学オリンピックで金メダルを狙ってもいいかもしれません。起業家精神を持っているなら、自分で会社やNPOを立ち上げてもいいでしょう。

私は最初の出願で、活動リストを真剣にとらえていませんでした。記入した活動のいくつかはあいまいなもので、関係なさそうな活動や、印象が薄いものは排除しました。ところが、これは間違いでした。なぜなら大学側は、出願者が学校の外でどんな活動に打ち込んでいたかを詳しく知りたいからです。

合格した出願書には、自分の人となりを伝えるさまざまな活動を盛り込みました。その一つが、武道で黒帯を取得したことです。武道は親が子どもにさせる人気の習い事なので、黒帯を取ること自体は珍しくありません。ただ、私はこれをさらに極めて、片腕で行う2本指の腕立て伏せをマスターしました。1年間毎日練習を重ねてきたことで、自分が物事に長期間打ち込めることと、素手のみで行う武道に純粋に興味を持っていることを伝えることができました。もう一つの活動はアートです。19世紀の筆記体書法をマスターし、手首ではなく腕全体を使って書く方法を習得しました。この珍しい手法をマスターするため、何百時間も練習を重ねました。シカゴ大学はこの点を評価してくれたと思います。

実は、私が出願で一番アピールしたかった活動は本の執筆です。学生として自分がどのように成長したか、そして成績が良い生徒と悪い生徒の違いは何かを書いてアマゾンで出版しました。このことを出願書類に記入することで、自分の成績の背後にあるストーリーを発信することができました。

エッセイ

出願で最も大切なのはエッセイです。「出願書」を「出願者」へと変えてくれる重要な要素です。

エッセイを書く上で大切なことは、真実を書くことです。

私がシカゴ大学に出したエッセイは、2020年と2021年では内容が大きく異なります。不合格となった時のエッセイは、書かされている感のあるもので、内容も薄いものでした。一方、合格したエッセイは、言いたいことがはっきりとしていて独自色がありました。

どうしてこの大学に入りたいのか。志望動機を上手に説明するエッセイを書くには、その学校について調べ、自分の経験や人となりと関連付けられる大学の特徴を一つ見つけることが重要です。私が合格を勝ち取ったエッセイは、シカゴ大学が常に既存の知識に挑戦している点に焦点を当て、それを自分が出版した本、大学の教授が書いた論文、そしてオンラインで聴講した内容に当てはめ、自分の知識に疑問を投げかけるものにしました。

その他の部分で重要となるのが、志望動機、課外活動、自身の性格で、自発性と知的好奇心を伝える内容でなくてはなりません。良い学業成績とテストの高得点を大学側が見れば、この人物が努力家で強い精神力を持つことが分かります。私は最初のエッセイで、自分の学業成績を間違えた形で強調し、「学ぶことが好き」という大学が知らないことを伝えていませんでした。

(Dragon Images/Shutterstock.com)

大学の出願プロセスは一筋縄ではいきません。特にアメリカの場合はそうです。大学の仕事は人物の可能性を評価することですが、これは常に完璧とはいきません。つまり、多少の運も必要となります。

志望校に入れなくても、くよくよする必要は全くありません。選択肢を広げ、出願を通して自分に正直であれば、運命の学校に必ず出会えます。私のように編入試験にチャレンジすることもできます。

あなたの可能性は入学の可否によっては決まりません。それを決めるのはあなた自身なのです。