前川 凛 在日米国大使館 報道室インターン

景勝地から魅惑的な博物館まで、さまざまな呼び物があるユタ州は、行楽地として最適な場所です。岩石層、恐竜の化石発掘現場、温泉などが特徴のこの州の驚くべき自然景観は、誰もが一度はやってみたいと憧れる冒険リストに加える価値があります。あらゆる年齢層の観光客を楽しませてくる博物館を中心にスケジュールを組めば、最高の1日になること請け合いです。冒険で1日過ごした後は、州の象徴的な料理やお土産をチェックするのをお忘れなく。「蜂の巣の州」(訳注:ユタ州の州章に蜂の巣が描かれていることから)を旅する際に訪れるべき場所をいくつか紹介します。

必見の自然の驚異

ユタ州で最も畏敬の念を抱かせるのは、間違いなく5つの国立公園とその象徴的な風景です。深紅の岩から温水スキューバダイビングまで、この州ではさまざまな自然の不思議を探訪できます。「レッドロックのワンダーランド」と呼ばれるアーチーズ国立公園には、2000以上のアーチ状の造形物があり、コントラストの美しいユニークな色が特徴的です。ハイキングや夕日を見るのにも最適な場所です。ブライス・キャニオンは、ブライス・アンフィシアター(自然の円形劇場)をはじめとする一連の驚異的な自然の彫刻です。わずか数マイルのハイキングで、その4つの主要な見どころを探訪できます。もう1つの岩場の観光地は、州北東部にある恐竜国定公園です。この古生物学に関する公園では、岩石中に実際の恐竜の骨が1500個展示されており、子どもから大人までワクワクするような発見があること請け合いです。

アーチーズ国立公園のデリケートアーチ。2021年4月25日撮影 (AP Photo/Lindsay Whitehurst)

アーチーズ国立公園のデリケートアーチ。2021年4月25日撮影 (AP Photo/Lindsay Whitehurst)

太陽の下でアクティブな1日を過ごした後にリラックスする方法の1つは、クリスタル・ホット・スプリングスを訪れること。そこには水遊び好きには夢のような温水浴槽、温浴プール、オリンピックサイズのプールがあります。天然温泉の温度は華氏約120~134度(摂氏51~57度)で、世界最高のミネラル含有量(46000mg/リットル)を誇ります! あなたが浴槽でのんびりとリラックスするのではなく泳ぎ回りたいタイプなら、ホームステッドクレーターが最適です。これは石灰岩でできた地下ドームの中にある地熱泉。水温は自然に華氏約90~96°度(摂氏32~35℃)に保たれているので、訪れる人は泳いだり、シュノーケリングをしたり、スキューバダイビングをすることができます。ここはアメリカ大陸で唯一温水スキューバダイビングが可能な場所です。

最後に、ユタ州を訪れる際に外せないのが、驚くべきボンネビル塩田です。260平方キロメートルに及ぶこの不毛の地は、塩分を含んだ厚い岩板の土壌に覆われており、州で最もユニークな自然の1つです。主に春は湿っているので塩田から離れていなければなりませんが、既存の道路や許可されている地域にいる限り、塩田の上を運転することができます。実際、世界中のレーシングチームが塩田で毎年競い合い、新たな陸上スピード記録を樹立しています。

ユタ州のボンネビル塩田。2015年7月22日撮影 (AP Photo/Rick Bowmer)

ユタ州のボンネビル塩田。2015年7月22日撮影 (AP Photo/Rick Bowmer)

お勧めの食事

世界初のケンタッキーフライドチキンのフランチャイズは、1952年にユタ州のソルトレークシティにオープンしました。同店はフル稼働しており、カーネル・サンダースのオリジナルスーツや創業者の銅像などの記念品が展示されています。もう1つ見逃せない地元の人気店は、2016年ファースト・ウィー・フィースト(First We Feast)でユタ州のベストバーガーレストランに選ばれたクラウン・バーガーです。パストラミをハンバーガーに加えるというクラウンのユニークなスタイルは今や全米に広まっており、ぜひチェックしてみる価値があります。もっと伝統的な食べ物をお望みなら、おいしい「フライブレッド」のナバホタコスはいかがでしょう。ネイティブアメリカンのナバホ族にヒントを得たさまざまなトッピングが楽しめます。

日本へのお土産を探しているなら、塩水タフィーがぴったりです。楽しいラッピングと甘いフレーバーは、もらった人が笑顔になること間違いなしです。ユタ州は1959年、その勤労と産業を代表する公式シンボルとして蜂の巣を採用しました。同州はまた、おいしい蜂蜜を生産しています。地元で作った無濾過の生蜂蜜をお土産にして間違いはありません。最後に、甘くないお土産として地元の人が勧めるのはグルメソルトです。ユタ州は国内最大のカリウム塩の生産地の1つであり、食事の味付けにぴったりのさまざまな種類の塩を生産しています。

ashtonによる「塩水タフィー」  ライセンスはCC BY 2.0に基づく

知識への渇きを癒す

「ユタ自然史博物館」には、州の素晴らしい歴史的発見の数々が展示されています。同博物館は、刺激的でインタラクティブな思い出に残る展示を家族全員に提供しています。気候変動に関するインタラクティブなアクティビティーはいくつかの賞を受賞しており、印象的な古生物学の収蔵品には、ユタ州の多くの化石遺跡から集められた約3万点の標本が含まれています。

ユタ自然史博物館での記者会見で、復元された「ナーストケラトプス」を披露する恐竜古生物学者。2013年7月17日 (AP Photo/Rick Bowmer)

ユタ自然史博物館での記者会見で、復元された「ナーストケラトプス」を披露する恐竜古生物学者。2013年7月17日 (AP Photo/Rick Bowmer)

また、「レオナルド創造と革新の博物館」では、科学的で革新的な旅に浸ることができます。6つの展示エリアでは、科学と芸術がユニークに融合した展示が行われており、来場者は学術的な好奇心を新たな方法で探求することができます。

ソルトレークシティにある、小さいながらもユニークなスポット「ギルガル彫刻庭園」は、州で唯一の「幻想的なアート環境」です。オリジナル彫刻が多数展示されており、創設者トーマス・バターズビー・チャイルド・ジュニアが彫った70個以上の石には、聖書やモルモン書の聖典が記されています。

息をのむような景色、科学的なインスピレーション、芸術的な美しさ、あるいは次の休暇に体験したいと思っている魅惑のグルメなどが、ユタにはきっとあるはずです。蜂の巣の州には、誰もが楽しめる何かが必ずあります!