1912年、当時の東京市は日本とアメリカの友好の印として、3000本のサクラをアメリカに贈りました。毎年春になると薄いピンク色の花を咲かせるこの3000本のサクラは、それから長い年月を経て、アメリカの首都ワシントンのシンボル、そして日米の深い絆を思い起こさせる目に見える象徴となりました。

日本からのサクラ寄贈から100周年を迎えるのを記念し、米国政府と日米交流財団が共同で設立した官民パートナーシップ「友好の木―ハナミズキ・イニシアチブ」は、米国民からの返礼として3000本のハナミズキを日本に贈ることを決定し、2012年11月16日、そのうち最初の100本を東京都立代々木公園に植樹しました。残りは両国の友好を示す変わらぬシンボルとして、今後3年間かけ、都内のほか、東日本大震災の被災地である東北地方をはじめとする日本各地に植樹する予定です。

「友好の木イニシアチブ」は、日米の国民同士の異文化・教育交流を体現しています。クリントン前国務長官は、日米のサクラとハナミズキの交換の歴史について次のように述べています。「アメリカに贈られたサクラと同様、このハナミズキの木が日本において、日米間の強固な関係と友好の象徴となることを願います」

ハナミズキはアメリカ南部では、その花の美しさと木陰の涼しさで知られています。花はノースカロライナの州花であり、縁が赤みを帯びた4枚の白い花びらがあります。秋には葉の色が真っ赤あるいは赤みがかった紫に変わり、小さな赤い実が房状になります。この実は人間にとってはあまりおいしいものではないかもしれませんが、鳥の大好物です。昔から、樹皮には解熱剤としての効能があると考えられています。ハナミズキの木の部分はとても堅く丈夫なため、各種用具の取っ手やゴルフクラブなどに使われています。

アメリカからはスイートウォーターレッドやアパラチアンスノウなど、数種類のハナミズキが贈られ、白だけでなく赤い花を咲かせるものもあります。まだ苗木なので花が咲くまでには数年かかりますが、代々木公園の近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。生きた国際親善のシンボルをご覧になれます。

「友好の木イニシアチブ」の詳細は、日米交流財団のウェブサイトをご覧ください。