ジョセフ・R・バイデン元副大統領が1月20日、アメリカ合衆国第46代大統領に就任しました。

連邦議会議員として与野党の架け橋の役割を果たしてきたバイデン大統領は、オバマ政権で8年にわたり副大統領を務め、2020年の大統領選で現職のドナルド・トランプ大統領に勝利しました。

バイデン氏は、勝利に必要な270票を超える306票の選挙人票と、史上最多の得票数となる8100万の有権者票を獲得しました。

11月7日の勝利宣言のスピーチでは、「驚きを隠せない。今夜我々は、国内のいたる場所や世界各地で、喜びと希望があふれているのを目撃し、よりよい明日が来るとあらためて確信している。国民から受けた信頼と信用を謙虚に受け止めたい」と述べました。

外交政策の経験を生かす

ペンシルベニア州スクラントンで生まれ、デラウェア州で育ったバイデン氏は、数十年におよぶ議員生活の経験を携えてホワイトハウス入りを果たしました。デラウェア選出の上院議員を36年間務めたバイデン氏は、外交政策で重要な役割を果たしてきました。上院外交委員会委員長、また同委員会の有力メンバーとして、テロ対策、大量破壊兵器、冷戦後のヨーロッパ、中東、南西アジアに関する外交問題や法整備の最前線に立ってきました。

1972年、民主党から上院に初当選したバイデン (© AP Images)

1972年、民主党から上院に初当選したバイデン (© AP Images)

副大統領時代には世界各地を飛び回り、50カ国以上を訪問しました。総移動距離は200万キロメートルにおよびます。

オバマ政権では、閣議の招集、省庁間の調整を行い、中間所得者層の生活水準の引き上げ、銃による暴力の削減、女性に対する暴力などの諸問題に議会と協力して取り組んできました。

78歳のバイデン氏はアメリカ史上最高齢の大統領として就任しました。トランプ前大統領は70歳で就任しています。(ロナルド・レーガン元大統領は77歳で退任)

就任後バイデン氏は、国の結束、新型コロナウイルス感染症対策、高所得雇用、人種間の格差是正、気候変動などの喫緊の課題に真っ先に取り組む方針です。

バイデン氏は勝利宣言のスピーチで、「私たちができると信じる国をつくろう。結束した、強い、癒される国だ。アメリカ合衆国の皆さん、私たちがこれまで挑戦してできなかったことはない」と国民に訴えました。

バナーイメージ: デラウェア州ウィルミントンで勝利宣言スピーチをするジョー・バイデン (© Andrew Harnik/AP Images)