アメリカは18世紀から世界各地に外交官を送り出してきました。そしてここ100年で、女性も外交官として赴任するようになりました。

アントニー・ブリンケン国務長官は2月24日、「多様性とインクルージョンはアメリカをさらに強く聡明にし、創造性と技術力を高めるもの。国務省はアメリカ国民の世界への窓口という光栄な役目を担っており、この任務遂行のため、アメリカの真の姿を反映する人材の採用・維持に努めなければならない」と発表し、多様性とインクルージョンはバイデン政権の優先課題であることを強調しました。

現在国務省では多くの女性が働いています。彼女たちの先駆けとなった6人の女性外交官を紹介します。

From left to right: Lucile Atcherson (American Foreign Service Association), Pattie H. Field (Smith Archive/Alamy), Ruth Bryan Owen (Library of Congress), Helen Eugenie Moore Anderson (© Getty Images), Barbara M. Watson (Collection of the National Museum of American Diplomacy), Madeleine Albright (State Dept.)

左から: ルシール・アッチャーソン (American Foreign Service Association), パティ・H・フィールド (Smith Archive/Alamy), ルース・ブライアン・オーウェン (Library of Congress), ヘレン・ユージェニー・ムーア・アンダーソン (© Getty Images), バーバラ・M・ワトソン (Collection of the National Museum of American Diplomacy), マデレーン・オルブライト (State Dept.)

ルシール・アッチャーソン
ルシール・アッチャーソンは国務省に入省した女性第一号です。1922年に3番目の成績で外交官試験に合格し、同年12月5日に外交局の秘書官に任命されました。1925年4月11日、スイスの在ベルン公使館の3等書記官に任命されました。

パティ・H・フィールド
パティ・H・フィールドは、外交官業務と領事業務を統合したロジャーズ法制定後の国務省に入省した初の女性職員です。1925年4月20日、オランダ・アムステルダムの副領事に就任しました。1929年6月に放送局NBCへ転職し、国務省を退職しました。

ルース・ブライアン・オーウェン
ルース・ブライアン・オーウェンは数々の「第一号」を獲得した女性です。女性として初めてフロリダ州から下院議員に選出され、下院外交委員会で初の女性委員となりました。1933年には初の女性在外公館首席に就任しました。

ヘレン・ユージェニー・ムーア・アンダーソン
国連を早くから支持していたヘレン・ユージェニー・ムーア・アンダーソンは、1949年にトルーマン大統領から駐デンマーク大使に任命され、女性初の大使となりました。1962年にはケネディ大統領からブルガリア公使に任命されました。

バーバラ・M・ワトソン
ジョンソン大統領から安全・領事担当の国務次官補に任命されたバーバラ・M・ワトソンは、黒人そして女性として初めて国務次官補となった外交官です。1980年にはカーター大統領から駐マレーシア大使に任命されました。

マデレーン・オルブライト
マデレーン・オルブライトはプラハに生まれ、幼少時代に家族と共にアメリカへ移住しました。カーター政権時代にはホワイトハウスで国家安全保障会議のスタッフを務めました。1993年にクリントン大統領から国連大使に任命され、1996年に女性初の国務長官に就任するまで同職を務めました。

バナーイメージ:1962年5月28日、駐ブルガリア公使に任命されたヘレン・ユージェニー・ムーア・アンダーソンと会談するケネディ大統領 (© Gibson Moss/Alamy)