アメリカ航空宇宙局(NASA)

アメリカ航空宇宙局(NASA)の次期火星探査車の名前が不屈の精神を意味する「パーシビアランス」に決定しました。

命名者はバージニア州の中学生、アレクザンダー・マザー君です。NASAの火星探査車命名コンテストに応募し、見事優勝を勝ち取りました。このコンテストには州と準州を含む全米各地の子どもたちから2万8000件の名前が寄せらました。

3月5日の発表式でNASAの科学ミッション本部のトーマス・ザブーケン副本部長は、「アレックスがつけた名前は探査の精神を見事に捉えている」とたたえました。「これまでの全ての探査ミッション同様、パーシビアランスも困難に直面し、驚くべき発見をしていくはずです。実際すでに多くの障害を乗り越え、現在打ち上げに向け準備を進めています。アレックスのような「アルテミス世代」の子どもたちは、火星への宇宙探査に向け次の一歩を進もうとしています。このようなわくわくする仕事には不屈の精神が常に必要です。パーシビアランスの火星到着が待ち遠しいです」

パーシビアランスは子どもたちがつけた火星探査車の最も新しい名前です。これまでも、「ソジャーナ」(1997年に火星に着陸)、「スピリット」と「オポチュニティ」(2004年に火星に着陸)、「キュリオシティ」(2012年より火星探査中)と赤い惑星を探査する車には命名コンテストから選ばれた名前がつけられてきました。

審査したのは、全米各地の教育関係者、専門家、宇宙ファンなど約4,700人のボランティアの人たちです。応募作品の絞り込みを行い、その後、一般の人に9つの最終候補から好きな名前を5日間にわたり投票してもらいました。77万人以上が投票し、その結果をもとにNASAが名前を検討しました。

今回優勝したマザー君は、つい2年前まで宇宙よりもビデオゲームが大好きな少年でした。そんな彼を変えたのが、2018年の夏に行ったアラバマ州の宇宙博物館「スペースキャンプ」でした。50年前にアポロに乗った宇宙飛行士を月へと打ち上げた「サターンV」ロケットを一目見た瞬間から、正真正銘の宇宙ファンになりました。今では、毎日NASA.govをチェックしたり、宇宙飛行士の自叙伝、さらには実際に飛ぶ3Dプリントのモデルロケットにも夢中になっています。NASAが新しい火星探査車の名前を子どもたちから募集すると発表したとき、マザー君は自分も関わりたいと強く思いました。

「これは、過去に人類を月に着陸させ、そしてそれを再び成し遂げようしているNASAの力になるチャンスだと思いました」とマザー君。「この火星探査車は、人類を火星に送る道を切り開くもので、どんな形でも関わりたいと思いました。挑戦しないという選択肢はありませんでした」

マザー君とこのミッションとの関わりは永遠に続きます。この夏、家族と共にフロリダ州のケープカナベラル空軍基地に招待され、パーシビアランスの打ち上げに立ちあう予定です。

パーシビアランスは、科学者の仕事をするロボット。重さは1043キロ弱です。2021年2月18日に火星のジェゼロ・クレーターへの着陸を目指しています。この探査車が行う宇宙生物学ミッションには、かつて火星に微生物が存在した痕跡を探ることが含まれています。また、火星の気候、地質特徴を明らかにし、将来の火星サンプルリターン計画のため火星から岩石やちりを採取し、人類の火星探査の道を切り開きます。

「マーズ2020」は、人類の火星探査の準備段階として月探査ミッションが含まれる壮大な計画の一部です。NASAは2024年までに初の女性宇宙飛行士とともに男性宇宙飛行士を再び月面に送り込むことを目指しており、アルテミス計画を通じ2028年までに月とその周辺に人類が存続できる拠点を確立する予定です。

ミッションの詳細については、https://mars.nasa.gov/mars2020/ をご覧ください。探査ミッションに関しては、パーシビアランス火星探査車の公式アカウント(https://twitter.com/NASAPersevere または https://facebook.com/NASAPersevere)をフォローしてください。月から火星を目指すミッションの詳細は、https://www.nasa.gov/topics/moon-to-mars をご覧ください。