スペースシャトル「ディスカバリー」の乗組員。2008年11月からISSに滞在していたマグナス飛行士(写真中列右)と交替して、若田飛行士(同左)が2009年3月からISSに滞在した(写真 NASA)

オバマ大統領は2009年3月24日、連邦議員およびワシントンDCの中学生と共に、ホワイトハウスにおいて、国際宇宙ステーションおよびスペースシャトル「ディスカバリー」の乗組員と交信し、彼らの任務の成功をたたえた。以下はその交信記録である。

オバマ大統領 船長、聞こえますか。

フィンク船長 国際宇宙ステーション(ISS)へようこそ。スペースシャトル「ディスカバリー」の乗組員もここにいます。ようこそ。大統領の声を聞くことができて光栄です。大きく、はっきりと聞こえます。

オバマ大統領 私たちと交信する時間を割いてくれてありがとう。こちらの乗組員は、宇宙に興味を持っている素晴らしい子どもたち、そして宇宙飛行士と話すとなると、まるで「大きな子ども」のようになってしまう連邦議員の皆さんです。

(無重力状態でマイクが浮遊しているのを見て)時速約1万7000マイル(約2万7000キロメートル)で巡航していると聞いていますが、ハンズフリーの電話を使っているようで、安心しました。

フィンク船長 大統領、私たちは90分で地球を1周しています。とてもわくわくします。速度が非常に速いので、1日に日の出と日の入りを16回見ることができます。

オバマ大統領 それはすごいですね。さて、最初に伝えておきたいのですが、私たちは皆さんのことをとても誇りに思っています。特に、イリノイ州ベルウッド出身の人がいると知って…。

マグナス飛行士 大統領、ベルウッドは美しい町で、私はそこで育ちました。今もたくさんの友人や知人がいます。

オバマ大統領 それは素晴らしい。私たちは、皆さんが従事しているプロジェクトに、胸を躍らせています。皆さんは、ISSに追加の太陽電池パネルを取り付けており、それによって宇宙ステーションの外で作業できる人員の数が増えると理解していますが、それで合っていますか?

フィリップス飛行士 はい、そのとおりです。私たちは、実験用と、乗組員の増員に対応するために、利用できる太陽エネルギーの量をおよそ2倍に増やしました。今年は乗組員の数を6人に増やし、もっと積極的な実験プログラムを実施したいと思っています。

オバマ大統領 本当にわくわくしますね。ここ地球では、太陽エネルギーをはじめとする、さまざまな再生可能エネルギー・プロジェクトに投資していますから、ISSで利用できる太陽エネルギーの量を増やしたと知って、特にわくわくしています。

厳密には、どのように太陽電池パネルを設置するのですか? どのような手順ですか? 誰か、大まかに説明してくれませんか?

ISSと交信するオバマ大統領、連邦議員、子供たち(写真 White House/Pete Souza)

スワンソン飛行士 承知しました。まずトラス部ですが、これは長さが約5フィート(約150センチメートル)で、ロボットアームを使って別のトラスに取り付けます。船外活動でこれを取り付け、ボルトで留めたら、新しいソフトウエアを使って指令を出し内側から展開できるような位置に太陽電池パドルを配置します。

オバマ大統領 それにはどのくらい時間がかかるのですか?

スワンソン飛行士 全体でおよそ6時間ですが、実際に指令を出して最大限の長さに広げるには2時間かかります。

オバマ大統領 当然のことながら、私たちは、米国人宇宙飛行士の皆さんが素晴らしい仕事をしていることを本当に誇りに思っています。皆さんは冒険心、そして何かを発見しようという気持ちを持って、献身的に任務に取り組んでおり、私たちのお手本となっています。私たちはそれをとても誇りに思っています。けれども、このプロジェクトの素晴らしいことのひとつは、これが「国際」宇宙ステーションであることです。日本人とロシア人の宇宙飛行士も同乗していると聞いています。彼らにもぜひあいさつさせてください。このプロジェクトが、宇宙だけでなく地球上でも通用する「協力の精神」の一例になることを期待しています。

若田飛行士 オバマ大統領とお話しする機会を得ることができて光栄です。ここにはロシア人乗組員、米国人乗組員がおり、私は日本人です。そして、この素晴らしいISSプロジェクトでは、宇宙と地上で50カ国が協力しています。これはまさに、世界の科学開発の未来を象徴しています。私はここに参加できてとても幸せです。

国際宇宙ステーションにドッキングしているソユーズ(写真手前)とスペースシャトル「ディスカバリー」(後方)(写真 NASA)

オバマ大統領 それは素晴らしい。

ロンチャコフ飛行士 大統領、私たちは何でも協力して行っています。これは私たちにとって本当に、本当に重要です。米国人も、ロシア人も、日本人も、皆協力しています。

オバマ大統領 (宇宙飛行士たちの体が浮き上がるのを見て)ところで、皆さんは、何度も体が跳ね返っていますが、ひもか何かで固定されているのですか、それとも今にも漂って行ってしまいそうな状態なのですか?

フィンク船長 大統領、私たちは足の指が下の手すりにつながって固定されていますが、いつでも簡単に浮き上がることができます。これは宇宙飛行で楽しいことのひとつです。大勢の子どもたちと話をするときに、飛び回って、ここでどんな冒険ができるか、見せることができます。でも、楽しいだけではありません。体にとっては少し過酷です。だから訓練しなければいけません。宇宙にいる間に、世界各地のたくさんの学校と交信する機会があります。そうして、次の世代に宇宙への意欲を持ってもらうのです。

オバマ大統領 聞くところによると、ハワイ上空を通過するときに私の母校プナホウ・スクールと話すそうですね?

フィンク船長 楽しみにしています。

オバマ大統領 そうですか。彼らに「アロハ」と伝えてください。

ここにもたくさんの子どもたちがいるので、誰か質問したい人がいるか聞いてみよう。質問がある人はいるかな? オーケー、待って、こちらの女の子が質問があるそうです。

 宇宙飛行士は何を食べているのですか?

オバマ大統領 質問は聞こえましたか? 宇宙で皆さんが何を食べているのか知りたいそうです。

アーノルド飛行士 私たちはきちんとした食生活を送っています。たくさん食べます。すべて連邦航空宇宙局(NASA)で用意されたものですが、アウトドア用食品のようなものです。乾燥しているので、水で戻して温めます。ほかに、軍隊で使ったり、去年ハリケーンがヒューストンに来たときにここにいる何人かが食べたような「MRE」(1) に似た食べ物もあります。

オバマ大統領 宇宙ではまだ「タング」(2) を飲んでいますか? ここにビル・ネルソン(3) がいますが、彼の話では、メニューからなくなったそうですね。(中学生たちに向かって)タングは皆のような若い人が生まれる前に飲まれていたんだ。昔はタングを飲んだものなんだよ。

次はこの男の子が質問があるそうです。少し待ってください。

 宇宙でビデオゲームはできますか?

オバマ大統領 宇宙でビデオゲームはできますか?

フィリップス飛行士 実は、できるのです。実際、数年前、私が宇宙に6カ月間滞在したときには、ビデオゲームを持ってきて、空き時間に楽しんでいました。でも、幸いなことに、そんなに空き時間はありませんでしたが。ですから、ビデオゲームはできます。ラップトップ・コンピューターもたくさんあります。でも、ほとんどの時間は、本当の仕事をしなければならないので、とても忙しくしています。

船外活動を行うアカバ宇宙飛行士(写真 NASA)

オバマ大統領 では、どのような実験をしているのですか? パネルを設置し終えてから、ほかにどのような活動をしていますか? ほとんどはステーションのメンテナンスですか、それとも何か実験やプロジェクトにも取り組んでいるのでしょうか?

マグナス飛行士 宇宙でここ何年も取り組んでいる実験があります。シャトルの同僚が(太陽光発電)パネルを持ってきて追加したので、実験を倍増することができます。

燃焼についての実験や、物質を理解するための実験、そして私たちはモルモットと同じなので、ヒトの体が宇宙でどのように変化するかを理解するための実験をたくさん行っています。これらすべての実験は、月や火星への長期にわたるミッションの準備をするためです。

宇宙で科学の研究をするに当たってわくわくするのは、私たちには何が分かっていないかが分かっていないので、何かを学ぶ可能性が最も大きくなる点です。実験を計画してISSで実施し、新しいこと、作用と科学の基礎についてより多くのことを学んだことが分かる場合が多くあります。ですから、ここは多くのことを学ぶには良い場所です。

オバマ大統領 素晴らしい。ほかに質問がある人は? この少年かな? 少し待ってください。

 宇宙で何か生命体か植物を発見しましたか?

オバマ大統領 良い質問だね。皆さんは、仲間以外に何か生命体を見つけましたか?

マグナス飛行士 実はこのミッションでは、船外活動の前後で船外活動者のグローブの表面のサンプルを綿棒で採取する実験を行っています。これは、これから遭遇するさまざまな環境にどのようなバクテリアや微生物が存在するかを判断するために、月と火星で使うことができる技術の実証実験です。

残念ながら、宇宙では何も見つかっていません。月や火星のような場所や、土星の衛星、こうした異なる環境へ行けば、新しい生命体や別の構造が見つかる可能性が高まると思います。

オバマ大統領 良い質問でした。では、はい、君。

 宇宙飛行士になるために、どのような勉強をしましたか?

オバマ大統領 良い質問だね。宇宙飛行士の皆さんは特殊な訓練を受けているのでしょう。ここに未来の宇宙飛行士がいるとしたら、彼らは何をすべきだと思いますか? 科学や数学の勉強をした方がいいんじゃないかと思うのですが。

アントネリ飛行士 そのとおりです。宇宙で働くようになるまでの過程ですてきなことのひとつは、それが何であれ、本当に興味を持っていることを勉強できることです。中でも科学と数学はその大きな部分を占めます。でも、私たちのグループには医師もいれば、地質学者も、エンジニアも、物理学者もいます。ですから、数学と科学の分野であれば何でも構いません。ここには数学と科学のほかに教育学を勉強している教師も何人か滞在したことがあります。

国際宇宙ステーションの実験室でロボットアームを制御する若田宇宙飛行士(写真 NASA)

誰にでもチャンスはあります。けれども、重要なのは本当に一生懸命勉強して、学校で良い成績を取ることです。そうすれば君たちの未来が変わってきます。

オバマ大統領 では、最近は身体的要件はどうなっていますか? 映画の「ライト・スタッフ」(4)を見た人もいるようですが。

アーシャムボウ船長 大統領、今も身体的要件はあります。実は、ISSはごく最近、新しいフィットネスマシンを導入したところです。ジムで見かけるとても高級なトレーニングマシンで、AREDと呼ばれています。脚や上半身の強化トレーニングなど、さまざまな運動をすることができます。特に長期滞在者にとっては、地球に戻ったときに再適応できるよう筋肉を良い状態に維持することがとても重要です。

オバマ大統領 分かりました。後ろの女の子が質問します。

 「運動」とはどういうことをするのですか?

アカバ飛行士 ここにはエクササイズマシンが数種類あります。スペースシャトルには、ジムにあるような自転車型のマシンがあるので、それを使うことができます。ISSにも1台あります。

もうひとつのマシンでは、あらゆる運動ができます。スクワットやカールなど、たくさんの運動ができます。トレッドミルもあるので、宇宙で走ることもできます。

オバマ大統領 次の質問は、こちらの男の子からです。

 宇宙にはいくつ星があるか分かっていますか?

オバマ大統領 宇宙にある星の数を聞いてます。私もこの答えには興味がありますね。

フィンク船長 ISSからは、美しい惑星である地球を見下ろして、その姿を見ることができますし、見上げれば宇宙のほかの部分を見ることができます。そこにはあまりにたくさんの星があるので、全部数えることはとても難しいのです。私たちの地球はとても小さく…この大きな宇宙の中ではとても小さな惑星だということが分かります。これは本当に驚くべきことです。なぜなら、それによって、深く考えることができるからです。私たち自身の星を本当に大切にしなければならないことを。そして、私たち自身の星は小さな場所にすぎず、宇宙のほかの場所では国際的に協力して、目の前に広がるこの宇宙全体を探査し、一緒にあらゆる発見をしていきます。

ですから、いつの日か、星の数を数えることができるでしょう。人類が力を合わせて、こうした星に行き始めようとしているのですから。ISSに勤務して、スペースシャトルで行き来することでわくわくする点は、こうした素晴らしい冒険に参加しているということです。

皆さんには一生懸命勉強してもらいたいと思っています。こうしたすべてのことを今の私たちだけでするのは不可能だからです。一生懸命勉強して、やるべきことをやり、トニーが言ったように、良い成績を収めてください。私たちの目の前には宇宙が丸ごとあるのですから。

オバマ大統領 私から短い質問があります。無重力は皆さんの眠りに何か影響を及ぼしますか?

アーノルド飛行士 私たちは数日前にここに着いたばかりで、慣れるには少し時間がかかります。個人的には、枕が恋しいです。人間はマットレスに横たわって、頭を預ける場所がある状態に慣れています。ですから、この状況に慣れるには時間がかかります。

オバマ大統領 子どもたちには質問する機会がありましたから、ここで、議員の中で質問がある人がいれば、質問してください。

分かりました。少し待って。テキサス州選出のケイ・ベイリー・ハチソンです。

ハチソン上院議員 皆さんはサルモネラ菌の実験をしており、この生物がどのように反応し、成長するかを観察していると聞いています。地球でもサルモネラ菌の問題があるのですが、地球ではおそらく知ることができないけれども、宇宙環境では確認することができるようなことは何だと思いますか。

フィリップス飛行士 その質問にお答えするのは少し難しいですね。確かに「国立研究所プログラム」と呼ばれる実験を行っており、特定の微生物をサルモネラ菌にさらしています。宇宙飛行士としての私の仕事は基本的に、クランクを回して実験を始めることです。そして4~5日後に再度クランクを回して実験を終了します。

地球で、そのデータやサンプルを使って、科学者が何をするのかはよく知りません。けれども、微生物とサルモネラ菌の培養サンプルを入れた大瓶8本を持ち帰って、科学者に使ってもらいます。

オバマ大統領 ビル・ネルソンはこの点について少し知っているようですね。

ネルソン上院議員 私も君たちと一緒にそこにいられたらいいのに。本当の意味で実験ができる、設備が整った国立研究所のようになってきているようですね。準備が整った状態になったときには、どういう点で1000億ドルの投資の成果を得ることができるのですか?

フィンク船長 またお話しできて光栄です。ISSは、約束した科学実験のいくつかについて、既に成果を挙げています。現在、第18次長期滞在者の人数を3人から6人に増やそうとしています。私たちが去った数カ月後に次の乗組員がISSにやってくると、人数は6人になります。ですからより多くの太陽エネルギーや、2つ目のトイレなどが必要だったのです。6人の乗組員が滞在できる空間と設備を備えておくために。

乗組員が6人になれば、可能なすべての実験を行うために十分な時間ができます。また必要な太陽エネルギーも得ることができます。ですから、科学実験の成果を挙げる上で大切なのは、十分な実験装置をISSに持っていき、持って帰ってくることです。私たちは既に成果を挙げており、今後さらに成果を挙げます。マグナス飛行士が言ったように、私たちには分からないことがたくさんあるので、今後とても興味深い発見があると思います。

オバマ大統領 子どもたちの中でほかに質問がある人は? ちょっと待って、ここに質問したい人がいます。

 仕事が好きですか?

オバマ大統領 仕事が好きかと聞いてます。

若田飛行士 好きですよ。宇宙で働くのはすてきなことです。5歳のときにアポロ11号の月面着陸を見てからずっと、私は宇宙で働くことを切望してきました。そして今、夢がかなったのです。一生懸命勉強して努力しなければなりませんでしたが、宇宙に来ることができてとてもうれしく思いますし、ここに住んでこんなに大勢の素晴らしい人たちとここで働くことが大好きです。

オバマ大統領 計画の実施に関する質問がいくつかあります。発射からISS到着まで、どれくらいの時間がかかりましたか?

アーシャムボウ船長 大統領、その質問には2つに分けてお答えしましょう。まず、軌道に乗るまでに約8分30秒かかります。この時の時速は1万7500マイル(約2万8200キロメートル)です。しかし、少しISSを追いかけるので、実際にISSと再結合するのは、およそ1日半から2日後です。

オバマ大統領 分かりました。では、軌道に乗るだけなら8分だが、ISSに追いついて、ISSに合わせて固定できるようにしなければならない、ということですね。

アーシャムボウ船長 そのとおりです。

オバマ大統領 分かりました。ほかに質問がある人は? 少し待ってください。

 ISSで行っている実験の中で、一番気に入っている、あるいは最も興味深いものは何ですか?

オバマ大統領 皆さん、お気に入りの実験はありますか?

マグナス飛行士 本当に難しい質問ですね。それぞれ興味深い点が異なるからです。フィンク船長と私は炎に関する実験をしています。宇宙で炎がどのような反応を示すのかを、地球の科学者に理解してもらうことを目的としています。これにはさまざまな理由があります。ここは意図的に火を起こすには特殊な環境なので、この実験は興味深いものでした。

私が最も気に入っている実験のひとつは、私たちの栄養状態や生化学がどのように変化するか知るために自らに行っている実験です。これは、食料を計画したり、人体に起きる変化に着いてもう少し深く理解するために役立ちます。多分これが私の好きな事件でしょう。でも、どの実験にもいろいろ興味深い点があります。

オバマ大統領 君にひとつ質問してもいいかな。(ふわふわと漂っているマグナス飛行士の髪の毛を見て)宇宙にいるときは髪の毛を短く切りたくなりませんか? それとも…無重力でそうしているのは楽しいですか?

マグナス飛行士 本当に良い質問ですね。ここで長い髪の毛の手入れをするのは少し…。理想的には、ここでは髪の毛は短い方がいいのでしょうが、はっきり言って私には似合わないので長いままにしています。

オバマ大統領 今のはまさしくファッションについての発言でしたね。

少し待って。この男の子が質問します。

 1日にどれくらい自由時間がありますか?

オバマ大統領 どれくらい自由時間がありますか? とても忙しそうですが。

アカバ飛行士 かなり忙しくしています。起きてから寝るまで、びっしりとスケジュールが組まれています。でも、朝、準備して身支度を整え、朝食を食べる時間は少しもらっています。夜も同じです。こうした時間を使って地球の家族や友人に電話したり、メールをチェックして、地球ではどうしているかを知ることができます。

オバマ大統領 それはおもしろい。ISSと地上のコンピューターの間でのメールのやり取りは、地上でのやり取りと同じですか?

フィンク船長 大統領、地球のほぼすべての人が知っているように、メールは私たちにとってお互いに連絡を取るとても重要な手段です。たとえ地球から遠く離れ、とても速いスピードで航行していても、私たちはメールを使います。残念ながら、1日に1回か2回、時には3回しかメールを同期しないので、地上にいるときほど速くないし、即時性もありません。それでも、地上の人々と連絡を取るための本当に役立つ手段です。

加えて、インターネット(電話)のようなものもあります。ですから、家族と話す機会を持てることはとても素晴らしいことです。1週間7日、1日24時間可能なわけではありませんが、衛星の受信地域に入っているときには家に電話することができます。これは、ISSに長期滞在するクルーにとって本当に重要です。

オバマ大統領 ありがとう。私たちは皆さんのことをとても誇りに思っています。ここにいる皆と話す時間を割いてくれてありがとう。子どもたちも、宇宙にいる宇宙飛行士と直接話すことができてとても興奮していると思います。

では、皆、さよならを言いましょうか。

全員 さようなら。

オバマ大統領 ここにいる皆の顔は輝いています。本当にありがとう。地球に戻った皆さんと会うのを楽しみにしています。神のご加護を。

アーシャムボウ船長 大統領、ありがとうございます。ダークブルーのシャツを着てここにいるスペースシャトル「ディスカバリー」の乗組員を代表して、今日大統領にお時間を割いていただいたことに感謝します。本当にありがたいことです。ありがとうございました。

そして、シカゴ出身の私からシカゴ出身の大統領へ、幸運をお祈りします。終わりに、ISSのフィンク船長にマイクを渡します。

オバマ大統領 ありがとう。

フィンク船長 大統領、私はシカゴ出身ではありません。すみません。けれども、乗組員も私も、大統領とお話しして、多くの皆さんに私たちの冒険について知っていただく機会を持てたことを、本当にうれしく思っています。破壊的ではなく、建設的に協力したとき、人類はとても感動的なことを成すことができます。それがISSのミッションです。

今日は参加いただき、ありがとうございました。時速1万7500マイルで私たちと共に飛行していただいて、ありがとうございました。大統領をはじめ、連邦議員の皆さんや子どもたちとこの体験を共有する機会を得て、本当に良かったです。

では皆さん、参加していただき、ありがとうございました。

オバマ大統領 ありがとう。さようなら。


脚注

  1. Meals Ready to Eat の略。調理済みのすぐ食べられる食品。
  2. オレンジ風味のソフトドリンク。
  3. 下院議員時代の1986年、スペースシャトル「コロンビア」の乗組員として宇宙に行った元宇宙飛行士。
  4. 宇宙飛行士となるための訓練の様子を描いた1983年のアメリカ映画。