ジェイソン・ハイランド 在日米国大使館 首席公使

先週のオバマ大統領の歴史的な広島訪問では、私も広島平和記念公園での式典に参列し、大統領の感動的な言葉をじかに聞くことができました。とても光栄でした。

大統領の演説で私が一番感銘を受けた一節は、この部分です。

 

だからこそ、人は広島を訪れるのです。そして大切に思う人々のことを思い浮かべます。朝一番に見せる子どもの笑顔。食卓でそっと触れる伴侶の手の優しさ。ホッとさせてくれる親の抱擁。こうしたことを考えるとき、私たちはこの同じ貴重な瞬間が71年前、ここにもあったことを知ることができます

 

私は生涯、この言葉を忘れることはないでしょう。戦争の恐怖、日米が築いた不朽の同盟、その同盟関係が日米両国と世界にもたらした恩恵、核兵器のない世界に向けた取り組み。大統領の演説から想起したイメージは、どれも迫力あるものです。しかし、特に私の心に鮮明に残ったのは、私たち皆が家庭や日常生活で求めている、平凡な平和のイメージです。

演説の後、安倍首相と共に平和公園を後にするオバマ大統領 (AP Photo/Carolyn Kaster)

演説の後、安倍首相と共に平和公園を後にするオバマ大統領 (AP Photo/Carolyn Kaster)

また光栄にも、日本原水爆被害者団体協議会の代表委員である坪井直さん、何十年もかけて原爆投下の犠牲となった米国人捕虜の身元特定に取り組んでこられた森重昭さんをはじめ、大切な物語を伝える方々にもお会いできました。こうした参列者の皆さまからは、人間の不屈の精神力を感じました。

広島で原爆の犠牲になった12人の米兵捕虜の身元特定に尽力した森重昭さんを抱擁するオバマ大統領 (AP Photo/Carolyn Kaster)

広島で原爆の犠牲になった12人の米兵捕虜の身元特定に尽力した森重昭さんを抱擁するオバマ大統領 (AP Photo/Carolyn Kaster)

広島でとても温かい歓迎を受けたことに感謝いたします。また、オバマ大統領と安倍首相が去った後、その瞬間を共有しようと、夜遅くまで平和公園に足を運んだ大勢の人たちの前向きな気持ちにも、心を打たれました。この光景も決して忘れません。そして最後に、大統領が自ら折り、広島平和記念資料館に寄贈した折り鶴の美しい姿に思いをはせます。

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