ノエラニ・カーシュナー

カリフォルニア州に拠点を置くアメリカの会社が、ガーナ農村部と同国の主要2都市の間で、新型コロナウイルス検査品の輸送にドローンを使用しています。

ジップライン・インターナショナル社(Zipline International Inc.)は、世界的なコロナウイルス危機対応に乗り出した数多くのアメリカ民間企業の一例です。メディアの報道によると、COVID-19の検査サンプルを届けるのにドローンが使用されるのは初めてのことです。

ジップライン社はナビゲーターなしで飛行する自律型ドローンを使用し、ガーナ遠隔地の1000以上の医療施設に、箱に収納したテストキットをパラシュートに取り付け落下させています。ドローンはその後、あらかじめ手配されたピックアップポイントで検体を回収し、検査が行われるガーナの都市アクラやクマシに戻ります。

「ジップライン社が都市部の病院にサービスを提供するのは初めてのことです」。同社の創業者兼最高経営責任者(CEO)のケラー・リナウド氏はツイッターで述べています。「我々は現在、人口が密集している都市部へ毎日のように飛行し、命を救う配送を行っています」

同社は以前、ルワンダ政府と提携し、ドローン技術を利用しルワンダ農村部に輸血用血液を輸送していました。

ガーナでの事業成功によりジップライン社は、今後数週間で他の国への進出も期待できるとリナウド氏は言います。

「新たな世界的脅威には、新たな世界的解決策が必要」と、リナウド氏はツイッターで述べています。

コロナウイルス危機で発生した課題への対応のため、会社の業務を適応させているアメリカのドローン企業は数社あり、ジップライン社はその1つです。他のドローン企業について、メディアは以下のように報じています。

  • コロナウイルスで外出が制限される中、フロリダ州ではドローンのスタートアップ企業マターネット社(Matternet)が、配達サービスのユナイテッド・パーセル・サービス社(United Parcel Service)と提携し、退職者のコミュニティーに処方薬を配達。
  • カリフォルニア州では、サンパブロ警察署が、コロナウイルスの安全対策に関する情報を安全かつ広く地域社会に伝えるため、インポッシブル・エアロスペース社(Impossible Aerospace)のドローンを使用。

バナーイメージ:ガーナでコロナウイルスの検査品を届けるドローン(© Zipline)