リー・ハートマン

アメリカ政府は、互いに結びつき、繫栄した、安全で強じんな自由で開かれたインド太平洋を構築する新たな戦略を発表しました。

2月11日に発表されたインド太平洋戦略は、地域のパートナーへのアメリカの決意を確認し、域内への関与と協力を拡大していくことを説明しています。

ホワイトハウスが発表した戦略ファクトシートは、インド太平洋を「世界で最もダイナミックな地域」と呼び、「インド太平洋の未来は世界中の人々に影響を与える。(同戦略は)アメリカがインド太平洋地域にしっかりと根を下ろし、その過程で域内を強化しようとするバイデン大統領の構想」と述べています。

インド太平洋地域は世界人口の半数以上を抱え、世界経済の約3分の2を占めています。

<strong>インド太平洋の未来が地球上の人たちに影響を与える</strong> 世界の若者人口の58%、世界のGDPの60%、世界の海の65%、世界の経済成長の67%を占める (State Dept./M. Gregory)

インド太平洋の未来が地球上の人たちに影響を与える 世界の若者人口の58%、世界のGDPの60%、世界の海の65%、世界の経済成長の67%を占める (State Dept./M. Gregory)

アメリカはインド太平洋国であることを誇りに思い、長きにわたり同地域の重要性を認識してきました。インド太平洋戦略において、アメリカは以下のことに取り組みます。

  • 民主的な制度、出版・報道の自由、活気ある市民社会に投資することで、自由で開かれたインド太平洋を支援する。これには、基幹・新興技術に対する共通のアプローチの促進、空・海での国際法の順守が含まれる。
  • 条約同盟とパートナーシップを強化し、東南アジア諸国連合(ASEAN)の地位を向上させることで結びつきを維持する。
  • サプライチェーンの再構築と経済機会の拡大に取り組みながら、自由で公正かつ開かれた貿易を促進し、繁栄を拡大しインフラ開発を支援する。
  • 侵略と抑圧の阻止に向けて、同盟国およびパートナーとの協力および相互運用性を深めることで安全保障を強化する。イノベーションにより、宇宙、サイバー空間、基幹・新興技術に関係する分野への脅威に迅速に対応することを可能にする。
  • パートナーと連携し、世界の気温上昇を1.5℃に抑制し、気候影響への脆弱性を軽減、さらに世界の健康安全保障を強化する目標を策定することで、気候や世界の健康に対する国境を越えた脅威への強じん性を強化する。

ブリンケン国務長官はフィジー・デナラウ島を訪れた2月12日、新戦略はインド太平洋パートナーとの1年におよぶ協議から誕生したもので、域内の人々の優先課題に焦点を当てていると述べました。

「気候危機、世界の健康、テクノロジーの未来。各国が自由に自らの針路を決めるのか、あるいは強国に強制されるのか。21世紀のあらゆる決定的な課題が、この地域に広まっている。我々は、この地域のあらゆる場所で関係を強化している」

バナーイメージ:海洋法を支持するプログラム「オセアニア海洋安全保障構想」のためフィジーに寄港した駆逐艦シャウプ。談笑するアメリカ軍とフィジー軍兵士。2018年10月14日 (U.S. Navy/Mass Communication Specialist 2nd Class William Collins III)