「LGBTQI」という言葉はよく知られていますが、「LGBTQI+」という言葉を見て、最後の「+」はどういう意味なのだろうと思ったことはありませんか。言葉は常に進化しており、このシンボルは、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クィア、インターセックスを自認する人だけではなく、性的指向、性自認とその表現、そして性の特徴の多様性を全て反映し尊重することを目指しています。LGBTQI+には、それら全てが含まれるのです。

「+」には、自身を男性とも女性とも認識しない人、多くのジェンダーにひかれる人、性別に関係なくひかれる人などが含まれます。また、他人への性的魅力をほとんどあるいは全く感じない人や、恋愛的魅力を感じない人も含まれます。

6月はLGBTQI+プライド月間で、啓発キャンペーンやパレードが数多く行われます。6月は、1969年にニューヨーク市警がLGBTQI+コミュニティーに人気のバーに踏み込み、常連客が抵抗したストーンウォールの反乱を記念する月です。この反乱は、何百万人もの人々がLGBTQI+コミュニティーの完全かつ平等な市民権を求めるきっかけを作りました。

ポーランドのワルシャワで行われた「2021年平等のためのパレード」でトランスジェンダーの旗(左)とパンセクシャルの旗を掲げる参加者 (© Kornelia Kobiela/Shutterstock.com)

ポーランドのワルシャワで行われた「2021年平等のためのパレード」でトランスジェンダーの旗(左)とパンセクシャルの旗を掲げる参加者 (© Kornelia Kobiela/Shutterstock.com)

LGBTQI+の人々は、人類の歴史の中で、それぞれのコミュニティーに対して重要な貢献をしてきました。人々が自分自身をどのように表現し、どのような役割を担ってきたかは、今日でも重要な意味を持ちます。以下に例を挙げます。

  • 北米先住民の中には、男性的および女性的な性、ジェンダー、精神的アイデンティティーの両方を持つ先住民を指す言葉として、「ツースピリット」を使用するグループがあります
  • 古代ハワイの伝統では、「マーフー」という言葉が、女性的な役割を担う男性を指す言葉として、文化的・精神的に非常に大きな価値を持っていました
  • 古代ユダヤの思想では、6つの性別を特定し、ユダヤ教の法律がどのように適用されるかを議論しました

ジェシカ・スターンは、LGBTQI+の人たちの人権促進を担当する米国の特使です。政府、市民社会組織、民間部門と協力し、世界中のLGBTQI+コミュニティーの人権に対する平等な尊重を促進・保護するために活動しています。

「世界でLGBTQI+の人たちの人権を外交政策に組み込むことを公約している政府はごくわずかです」とスターンは言います。「米国は他国にとって、希望とインスピレーションの源となることができます」

バナーイメージ:2017年のトロント・プライド・パレードで「私はアセクシャルです。私は存在します」というサインを掲げる参加者 (© Shawn Goldberg/Shutterstock.com)