空飛ぶ車やロボットグローブなど数々の最先端テクノロジーが、1月7日から10日にかけラスベガスで開催された世界最大級デジタル技術見本市CES(旧名「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー」)で展示されました。最新イノベーションを一目見ようと160カ国から17万人以上が来場しました。

CES2020で披露された最新デバイスをいくつかご紹介します。

ロボットグローブ

CES 2020で実演されたネオフェクトが開発した脳卒中からのリハビリをサポートする「スマート・グローブ」(© John Locher/AP Images)

ネオフェクトの「スマート・グローブ」は、ゲームなどの遊びを取り入れたアプリケーションに接続し脳卒中などの病気により手が不自由になった患者のリハビリをサポートします。テクノロジー系スタートアップ企業のデータベースによると、ネオフェクトはバージニア大学ダーデン校の大学院生、ホーヤング・バンさんとスコット・キムさん、そして南カリフォルニア大学のヤング・チョイさんの3人が2010年6月に起業しました。

医療用「魔法の杖」

CES 2020で「メッドワンド」を実演するメッドワンド・ソリューションズ創業者兼CEOのサミール・カマール医師(© CES®)

メドワンド・ソリューションズ(本社・ラスベガス)が開発したのは、心拍、体温、呼吸数、酸素レベルといった生体信号を測定する10種類の診断ツールを一つにした携帯用小型機器です。この機器を使えば、オンライン検査が可能になり、医師は患者の生体信号を即座に把握することができます。患者は病院に行く手間が省け、医師もより多くの人の治療にあたることができます。

次世代プログラマーの育成

CES 2020で発表されたアメリカン・プリンティング・ハウスの視覚障害者向けのプログラミングツール「コード・ジャンパー」(© Ross D. Franklin/AP Images)

「コード・ジャンパー」は、目の見えない子どもや視覚障害のある子どもにコンピュータープログラミングの基本概念を教える物理的な部品から構成されたツールです。マイクロソフトとケンタッキー州ルイスビルにある非営利団体「アメリカン・プリンティング・ハウス・フォー・ザ・ブラインド (APH)」の共同開発から誕生しました。APHは目の見えない人や視覚障害者の教育や仕事を支援し、自立した生活を助ける製品開発を手掛けています。

空飛ぶタクシー

CES 2020で披露されたヒュンダイとウーバーが共同開発した実物大の完全電動式空飛ぶタクシーS-AI (© David Becker/Getty Images)

ウーバー・テクノロジーズとヒュンダイ・モーター・カンパニーは、空飛ぶタクシーの共同開発を行います。このタクシーはヘリコプターのように回転翼を使って垂直に離着陸する一方、飛行機のように翼を使って飛行します。最高時速は290キロ(時速180マイル)です。ヒュンダイによると、空飛ぶタクシーは地上300メートルから600メートルを走行し、完全電動式なため一般の飛行機に比べて騒音は少ないそうです。