14歳のアメリカ人学生が受賞した科学プロジェクトが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療法発見の手掛かりになるかもしれません。

ニュース報道によると、テキサス州フリスコ出身の8年生(日本の中学2年生)で医学研究者志望のアニカ・チェブロルさんは、コンピューターモデリングを使い、COVID-19の原因となるコロナウイルスに結合し人に感染する能力を阻害する分子を特定しました。

アニカさんは夏の間、毎日このプロジェクトに取り組みました。

「作業は全てが計算で、さまざまなソフトウェアを使用するだけなので、プロジェクトは全部自宅で行いました」と、彼女はダラス・モーニング・ニュース紙に語りました。

世界保健機関(WHO)によると、11月16日現在、世界で5400万人以上がCOVID-19に感染し、130万人以上が死亡しています。アニカさんは、この感染症の治療法を開発する世界的な取り組みに参加しています。

アメリカはCOVID-19の数多くの見込みのあるワクチン開発を支援しており、そのうちのいくつかは治験の最終段階にあります。米国食品医薬品局は10月22日、この感染症で入院している患者の抗ウイルス治療薬を承認しました。

アニカさんは元々、インフルエンザウイルスの治療法を発見しようと計画していました。しかし、COVID-19が世界的に蔓延し始めた後、この若き科学者と彼女の指導者は方針を変え、SARS-CoV-2ウイルスのスパイクタンパク質に結合し、ヒト細胞への感染能力を阻害する分子の探索を開始しました。

「パンデミック、ウイルス、創薬の研究に多くの時間を費やしてきたので、自分が実際にこのようなことに関わって生きているのが信じられませんでした」。アニカさんはCNNにこう語ります。

10月にアニカさんは、自身のプロジェクトで「2020年3M ヤング・サイエンティスト・チャレンジ」を受賞し、2万5000ドルの賞金を獲得しました。

バナーイメージ:新型コロナウイルス感染症を引き起こすSARS-CoV-2コロナウイルスのイラスト (© Shutterstock)