ニーラム・パテル ネットワーク・フォー・ティーチング・アントレプレナーシップ(NFTE)のプログラム担当副理事長

ニーラム・パテル ネットワーク・フォー・ティーチング・アントレプレナーシップ(NFTE)のプログラム担当副理事長

ネットワーク・フォー・ティーチング・アントレプレナーシップ(NFTE)のプログラム担当副理事長。2006年にNFTEに参加。教育、専門能力の開発、カリキュラム設計の分野で10年以上の経験を有する。現在NFTEでは、テキストおよびデジタルベースの起業家カリキュラムの作成、プログラム要素の支援と作成を担当する部署の管理、プログラムの短期・長期的戦略目標の策定などを担当。またNFTEのカリキュラム設計、教師の専門能力開発、卒業生サービス、研究プロジェクトも監督している。

 ネットワーク・フォー・ティーチング・アントレプレナーシップ(NFTE)とはどのような組織ですか。

 低所得者層の若者に学業の継続、ビジネスチャンスの認識、将来の成功に向けた計画立案への意欲を持たせるプログラムを提供する非営利組織(NPO)で、教室の内外で革新的で厳しい起業家教育プログラムを実施しています。今後の経済発展をけん引するイノベーションの種をまいています。

  NFTEに参加する前はどのような仕事をしていましたか。なぜNFTEに参加したのですか。

 NFTEに入る前は、ロサンゼルス統一学区内とニューヨーク市教育委員会の管轄区内の公立学校で教えていました。他にもマーシー・カレッジとコロンビア大学のティーチャーズ・カレッジの修士課程で教育学専攻の学生を指導しました。私自身はカリフォルニア州ロサンゼルスの南カリフォルニア大学で学士号、同州マリブのペパーダイン大学で教育リーダーシップの修士号を取得し、現在ティーチャーズ・カレッジでカリキュラム研究の博士号取得を目指しています。2003年に全米教育専門職基準委員会(National Board for Professional Teaching Standards)から、一定の基準を満たす教師として認定されました。

NFTEへの参加を決めたのは、教育に対する考え方が異なる組織で働きたいと思ったからです。米国では標準化や受験技術が偏重されていますが、このようなやり方では学習できない生徒が数多くいます。NFTEは経験に基づく学習や教員養成に重点を置いており、そのやり方に私も賛同しました。私はまた、どんな生徒にとっても、将来成功するには起業家精神やイノベーション、創造力が重要な要素だと考えています。

  NFTEのプログラムについて具体的に教えてください。

 NFTEプログラムは教室での授業に重点を置き、生徒の独自のアイデアをもとに事業計画を策定する中で数学と読み書きの能力を養う起業家育成カリキュラムが組まれています。NFTEのカリキュラムは社会科と数学で全米の学習基準を、言語科目、数学、科学、テクノロジー、社会科でいくつかの州の基準を満たしています。

プログラムは厳しく、経験に基づいており、実生活に即しているだけでなく、生徒の将来に不可欠な内容になっています。NFTEは、起業家精神を通じて学習する意欲を生徒たちに持たせるために必要なツールを教師に提供して支援しています。NFTEプログラムを教える教師を認定する研修など、専門能力の開発制度もあります。NFTEのプログラム・スタッフが定期的に授業に参加し、教師を支援します。またインターネットを使って授業計画の提供や助言をしており、教師同士が互いに連携しあって資源やアイデアを共有できる機会を設けています。学校管理者と協力して学区全体の教育目標の達成を支援したり、地域の実業界からボランティアを招いて外の世界での経験を話してもらっています。実業界の指導者に教室で自分の仕事について話してもらうと、生徒への刺激になります。ボランティアの皆さんは、生徒にとって良き指導者であり、事業計画についての助言者であるとともに、コンテストの審査員でもあります。NFTEの上級ビジネスプログラムでは生徒に指導者、無料カウンセリング、その他のサービスを提供して、生徒が自分の事業を開始できるよう支援します。

教室の外で実施する起業家プログラムもあります。ビズキャンプ(BizCamp™)は、起業に関心のある10代の若者向けの2週間の集中プログラムです。またNFTEの教師たちは、教室という枠組みの外で自分の事業計画をさらに発展させたいと考える生徒を対象とした「Eクラブ」を運営しています。各地のNFTEオフィスの中には、管轄地域の生徒たちを集めてアイデアを共有したり、ベテラン起業家やビジネスの専門家から学ぶ青年起業家会議を開催するところもあります。NFTEはまた、どこにいても若者に起業家教育と起業機会を提供できるオンラインゲームを共同制作しています。またインターネット上の同窓会ネットワークで生徒同士をつなぎ、事業開発の資源、コンテストの告知、大学奨学金の情報などを提供しています。

東京アメリカンセンター主催のアントレプレナーシップ・フェアで、ルース駐日米国大使と共に議論に参加するパテル氏(右) (写真 在日米国大使館)

東京アメリカンセンター主催のアントレプレナーシップ・フェアで、ルース駐日米国大使と共に議論に参加するパテル氏(右) (写真 在日米国大使館)

全米、そして世界中の若い起業家たちが、NFTEが提供する機会の恩恵を受けています。NFTEは、11カ所のプログラムオフィスと認定パートナーである6団体を通じ、全米21州で活動しています。また国外の10の認定パートナーを通じて世界中の若者にプログラムを提供しており、各地の文化や経済に合わせて生徒や教師用の教材を翻訳、改変しています。NFTEは若者向けの優れた起業家カリキュラムをつくり、現在は中学生、高校生、コミュニティーカレッジの学生向けの書籍を出版しています。起業に関する大学生用教科書も作成中です。私たちのカリキュラムはNFTEのプログラムで使用されるだけでなく、NFTEの提携出版社であるピアソン社によって広く販売されています。

  NFTEの卒業生が始めた事業の成功例を挙げてくださいますか。成功の要因は何でしょう。

 まずジャスミン・ローレンスがいます。11歳の時に縮毛矯正剤を使ったために髪の毛の90%が抜けてしまったジャスミンは、二度と自分の髪に化学薬品を使わないと誓ったのですが、自然素材のヘアケア製品はなかなか見つかりませんでした。ニューヨーク大学で起業家プログラムに参加した後、ジャスミンは自分の経験を生かし、自然素材のヘアケア製品の市場需要に応える決心をしました。NFTEの支援を受けてEDENボディワークス社を設立し、自然素材しか使わないヘアケア製品を作りました。現在17歳のジャスミンはEDENボディワークスの最高経営責任者(CEO)兼創設者であり、事業は小規模ながら好調です。同社は自然素材しか使わないヘアケアおよびスキンケア製品を製造し、全米の小売店に販売しています。ジャスミンの事業活動はオプラ・ウィンフリー・ショー(米国で人気のトーク番組)で取り上げられ、2008年にはビジネスウィーク誌の電子版で「アメリカで最も優秀な若き起業家(America’s Best Young Entrepreneurs)」の1人に選ばれました。

次の例はジェシカ・セルバンテスです。ジェシカは祖母からパンやお菓子の作り方を教わって以来、レシピの試作や新しい料理の創作が大好きになりました。そして「ポプシーケーキ」という名前のカップケーキ(プレッツェル・スティックをカップケーキに差し込んだお菓子)という発想を基に事業計画を立て、2008年にNFTEのナショナル・ユース・アントレプレナーシップ・チャレンジで1位を獲得しました。現在はマイアミの起業家クレイグ・エデルマン氏の支援を受け、マイアミ国際空港にポプシーケーキのカウンターを開いています。事業を順調に伸ばし路面店を開店させる一方で、ジェシカは正規の学生としてコミュニティーカレッジにも通っています。

ヘスース・バロッテは10歳の時にメキシコから米国に移住しました。新しい文化と知らない言葉に慣れるのに苦労しましたが、良き指導者と学校の校長先生に助けられ、人生を変えることができました。ヘスースは学校で取り組んだ全ての課題の中で、とりわけNFTEクラスで作成した事業計画を誇りに思っています。自分のメキシコ人としてのルーツに触発されて、マヤやユカタンの刺しゅうをあしらった手作りデザインを特徴とする「マヤンマインド」という衣料品事業を設立しました。

 若者たちが学業を続けられるようNFTEはどのような支援をしていますか。NFTEプログラムに参加すると、他にどのようなメリットがありますか。

 NFTEは、多くの問題を解決する簡単な方法を提示しています。教育の機会をとらえ、起業することにより、学業でも実生活でも成功するよう、若者のやる気を喚起します。

現在は非常に多くの若者が学校を中退し、貧困の連鎖を断ち切って実生活で成功するために大変苦労しています。米国で高校を中退する生徒の割合は33%近くに上り、アフリカ系、ラテン系、ネイティブ・アメリカンの生徒の約半数が退学します。学業が実生活にとって意味のあるものだったら続けていた、と中退者全体の81%が報告しています。

世界経済が低迷し米国の失業率が10%前後で推移する中、経済成長の鍵を握るのは起業家と小規模企業です。米国で過去15年間に小規模企業が創出した雇用は純増分の64%に当たり、非農業部門の国内総生産(GDP)の半分以上を小規模企業が生み出しています。雇用者全体の99%を小規模企業が占め、国内の民間部門の被雇用者の半数が小規模企業に雇用されています。世界全体で見ると、毎年約1億社が新たに設立されています。

NFTEは、起業家教育、実社会で意味を持つ技能の教育、生徒の学習意欲の喚起を通じて生徒の生活を向上させます。NFTEの生徒たちは授業に出席し、学業を続け、卒業し、大学に進学し、仕事で成功する意欲を持てるような、革新的で有意義な教育を受けられます。世界を見て、自分の回りの至る所で成功の機会を見つけることを学びます。そして勉強を続け、自分の会社を経営するか、企業に雇われて働くかにかかわらず、経済に貢献するために必要な問題解決やプレゼンテーション能力、指導力を身につけて卒業します。また生徒たちは、お金の稼ぎ方や管理の仕方を学び、財務会計能力を習得します。

NFTEは次世代の起業家や小規模企業の経営者を発掘、育成し、やる気を喚起します。上級プログラムに参加する生徒は、小規模企業を経営する経験を積みます。ある研究によると、NFTE卒業生の65%(対照群では2%)が自分の事業を興しており、卒業時に自分の事業を始めていた卒業生のうち3分の1は、卒業して6カ月から1年後も経営を続けていました。

 NFTEがビジネスの経験を有し、新規事業を始めたいと望んでいる成人ではなく、若者にプログラムを提供しているのはなぜですか。

 成人ではなく若者を支援するのは2つの理由からです。ひとつは、起業家教育が若者にとって従来の教育に代わるものであると考えているからです。経験を通して学ぶというプログラムの性質上、NFTEは退学せず学業を続ける生徒数に影響を与え、(NFTEの究極の目標である)卒業率を上昇させることができます。もうひとつの理由は、若いうちに起業家精神に触れさせることによって、創造力に優れ、リスクを恐れない、革新的な考え方の若者を育て、彼らがより早い時期に、より効果的に市場に貢献できるようになると考えるからです。

 成功した起業家が持っている資質にはどのようなものがありますか。

 起業家としての重要な要素として自己評価、つまり自分の弱点と長所を見極める能力があります。自己評価は長所を最大限に伸ばし、弱点を強化するのに役立ちます。忘れてならない重要な点は、誰にも長所と弱点があることです。自分に備わっているものをどう生かすかが大切なのです。また自分をよく知っている起業家は、自分の足らない部分を補う能力を備えた人たちを雇うことが重要と考えます。

才能とは、特定の仕事や活動をうまく遂行する生まれつきの能力のことです。人によって数学をとても簡単だと思うかもしれませんし、生まれつきスポーツが得意かもしれません。才能は努力によって伸ばせる場合もあります。一方物事に対する感じ方に影響を及ぼす見方や考え方が姿勢です。起業家は前向きな姿勢を持つ傾向にあり、どのような状況も問題ではなくチャンスととらえます。そのおかげで、否定的な考え方をする人よりも容易に解決策を見出せます。自分の経験を考えてみてください。前向きな考え方や話し方をすれば、より大きな幸せを感じ、活力が高まりやすくなります。目標の達成に向け前に踏み出す気持ちになります。対照的に、否定的な考え方や話し方をするとあまり幸せを感じられませんし、活力もあまり沸いてきません。問題解決に向けた行動を起こすこともあまりないでしょう。受け継ぐ才能を選ぶことはできませんが、どのような姿勢を持つかは選択が可能です。

起業家には自負心が不可欠です。起業家は自分自身を肯定的に見る必要があります。前向きな姿勢が事業の成否を決めることもあります。優れた才能がありながら否定的な姿勢の人は、生まれつきの能力がなくても前向きな姿勢の人に比べて実績が劣る場合もあります。起業家たちは歴史を通して、人の考えには力があることを証明してきました。しかし最終的にどんな人間になるかを決められるのは自分だけです。起業家としての成功に必要なすべての特性を備えて生まれてくる人など1人もいません。しかし前向きな姿勢を持ち続け、自分を信じれば、多くの特性を伸ばすことができます。下のリストから自分がすでに持っている性質を見つけてください。それから、自分に足りない性質に目を向けてください。

  • 勇気/失敗する可能性にも関わらずあえてリスクを冒す意欲。
  • 創造力/新しいやり方を考え出すこと、既成概念とらわれない発想。
  • 好奇心/学習や質問したいという欲求。
  • 決意/障害があっても途中であきらめない。
  • 自律/集中して仕事し、スケジュールを守って締め切りに間に合わせる。
  • 共感/他人の考えや感情に対する敏感さ。
  • 熱意/物事に対する情熱、問題をチャンスととらえる能力。
  • 柔軟性/新たな状況への適応能力、変化しようとする意欲。
  • 正直さ/人に対して誠実で忠実であろうとする姿勢。
  • 忍耐/目標は簡単に達成できないと認識する。
  • 責任/自分の決定と行動に責任を持ち、責任転嫁をしない。

  NFTEプログラムはどこから資金を得ていますか。NFTEの教師はボランティアですか。

 NFTEはNPOで、企業、財団、個人からの寄付によって、国内外でプログラムを運営しています。ボランティアもNFTEプログラムでとても重要な役割を果たしています。専門分野でワークショップを開催する、生徒による事業計画の立案を指導し修正を助ける、あるいは事業計画コンテストの審査員を務めるなど、さまざまな形でビジネスの知識やビジネスに対する愛情を生徒に伝えることができます。いずれの貢献も拘束時間はわずかですが、若者の人生に大きな影響を与えることができます。NFTEの教師はほとんどボランティアで、教育現場を愛し、学校や教育の質の向上に献身的に取り組んでいます。

 「ナショナル・ユース・アントレプレナーシップ・チャレンジ」とは何ですか。今年は誰が入賞し、どのような賞を受賞しましたか。入賞者はオバマ大統領に会ったと伺いましたが、本当ですか。

 NFTEの生徒には独自の事業計画の策定が義務付けられ、生徒たちは1学期間あるいは1年間のNFTE講座を通して、授業の中で事業計画を作成します。事業計画は、NFTEが教える事業や財務の概念を習得・応用しながら、生徒自らが特別な関心や才能をもとに事業アイデアを練り上げる手段です。事業計画コンテストで自分の計画を披露することにより、生徒たちは人前で話す練習ができ、コンテストの審査員から専門的な助言を受け、一般に広く認めてもらえるだけでなく、自分の事業や教育への投資資金を調達できるまたとない機会を得られます。

全米のプログラムオフィスと国内の認定パートナーのもとで学ぶ生徒たちは、毎年春にクラス内あるいは全校のコンテストで(それぞれの事業計画の内容を)競い合います。その後、各校の1位受賞者が地区大会へ進み、準決勝、決勝で争います。各地区で1位になった生徒たちが全米大会に進みます。彼らは春の地区大会と秋の全米大会の間に、NFTEの指導者や事業計画の助言者とともに長い時間をかけて事業計画とプレゼンテーションに磨きをかけ、完璧なものにします。

2010年10月5日火曜日にニューヨーク市で開催された第5回オッペンハイマー財団・NFTEナショナル・ユース・アントレプレナーシップ・チャレンジでは、28の事業を代表する31人のNFTEの若き起業家たちが競い合いました。大会は予選、準決勝、決勝で構成され、午前中の予戦の勝者が午後の準決勝へと進みました。そして準決勝の上位3位までが、その夜開催された決勝戦で、300人以上のNFTE支援者と招待客を前にプレゼンテーションをしました。優勝賞金は1万ドル、2位は5000ドル、3位は3500ドルでした。4位入賞者は、イー・トレード社が主催し、出場者全員が参加して大会当日の1カ月前に開催されたオンライン・エレベーター・ピッチ・コンテスト(参加者が作成した、自らの事業アイデアを売り込む30秒のビデオをインターネット上で公開し、一般の人々からのオンライン投票で最も優れたアイデアを決定する。電子メールのアドレスを持っていれば誰でも投票に参加できる)の勝者として2500ドルを受け取りました。入賞者は全員、2010年10月12日にワシントンDCでオバマ大統領と面会しました。

 NFTEプログラムは米国以外の国でも提供されていますか。その場合、各国の文化や教育のニーズに合わせてプログラムを変更していますか。

 NFTEの認可プログラムは、米国内外のNFTEプログラムオフィスがプログラムを提供できない地域におけるNFTEの発展に不可欠です。認可された組織は、既存の非営利組織や慈善団体、教育機関、地域社会組織、政府機関などで、低所得者層の若者たちの意欲を引き出して、学業の継続、ビジネスチャンスの認識、将来の成功に向けた計画立案を促すプログラムを提供するというNFTEの使命を共有しています。NFTEによる支援には、継続的プログラム支援、現地の環境に合わせたカリキュラムの改変への支援、教師向けの研修、生徒と教師が対象のグローバルアワード・プログラムなどがあります。

NFTEのプログラムは現在14カ国で実施されています。プログラムもカリキュラムも各国の文化や教育のニーズに適応したものになっています。

  NFTEプログラムの日本での実施は可能ですか。日本の文化や教育制度に合わせてどのように変えたらよいでしょうか。

 適切なパートナー組織があれば、日本でもNFTEプログラムを提供できます。私の見るところでは、日本は現在、より革新的で創造的な若者を育成する方法を模索しているようです。日本からも次のビル・ゲイツやマーク・ザッカーバーグが生まれてほしいという思いがあるからです。そのためには日本の若者たちの起業家魂に火を着けなければなりません。若者なら誰でも起業家魂を持っています。ただその起業家魂を見つける手助けが必要になる時もあります。

NFTEプログラムは非常に実情に合わせやすくなっています。日本では、13歳から18歳までの生徒を対象にした学校制度に起業家教育を組み込んではどうでしょうか。そうすれば生徒たちは読み、書き、数学の基礎カリキュラムを学習しながら、事業の創造やイノベーションを通し、こうした技能を実社会でどのように利用すればよいか理解できます。文化的には、NFTEは日本にぴったりだと思います。世界が真にグローバル化した社会となりつつある今、どこの国の若者も世界の出来事を以前よりも認識しています。一世代前の生徒たちは、自分の住む社会の中だけを探して資金を調達し、競争力をつけましたが、今の世代の生徒たちははるかに知識が豊富で、グローバルな市場で競争し、その一翼を担いたいと望んでいます。NFTEは、日本の生徒たちのグローバル化した社会での成功を手助けできます。

 自分で事業を始めたいと考えている日本の若者にアドバイスがありますか。

 次の点を参考にしてもらえればと思います。

  1. 起業を目指す意志を誰にも邪魔させない。
  2. 行動を起こす。どんなに強く夢見ていても、実現に向け行動を起こさなければ夢は夢で終わる。
  3. 短期と長期の両方で考える。計画を立てそれを貫く。
  4. その分野の専門家の手助けや助言を求める。
  5. 自己主張し、はっきりものを言う。
  6. 一生懸命勉強する。自分の会社について常に学び続けなければならないと考える。自分の業界のことを研究する。出版物やウェブサイトをチェックする。無料のセミナーに参加して質問する。
  7. 率先して行動し、やり遂げる。
  8. 批判を受け入れる。すべての評価を自分のためになるように利用する。
  9. 好きなことをやる。自分が楽しいと思う事業、情熱が燃やせる事業を始める。
  10. 成功するはずがないと他人は言うかもしれないが、それを信じない。必ずできる!