可能性を秘めた画期的がん治療法がスーパーマーケットで買えるほど身近に?

(SuperStock)

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アメリカの科学者たちは、がん発見と治療法が飛躍的に進歩する可能性がある研究に取り組んでいる。なかでも最も期待できる取り組みをいくつか紹介する。

大腸がん検査が手軽に?

大腸がんの早期発見で重要なのは大腸内視鏡検査だ。しかし、この検査を受けることができない患者や、この検査を避ける患者がいる。マサチューセッツ工科大学のサンゲータ・バティア教授によると、スプーン1杯のヨーグルトを摂取するだけで簡単にがん検査ができる日が間もなくやってくるそうだ。

科学者たちはヨーグルトに細菌を加え、特定の種類のがんを診断する実験を行っている。(© AP Images)

科学者たちはヨーグルトに細菌を加え、特定の種類のがんを診断する実験を行っている。(© AP Images)

ニューズウィーク誌は、バティア教授が開発した、腫瘍に集まる習性を持つ合成分子をヨーグルト細菌から作成する方法を解説している。記事によると、がん細胞が存在すると合成分子が分解され、その結果が患者の尿に検出される。

このプロセスはマウス実験しか行われていない。しかしメリットはかなり大きいとみられる。がん検診を近くで受けられない患者は、ヨーグルトを食べて自分で検査ができるようになるからだ。おそらく、大腸内視鏡検査を受ける人よりもヨーグルト検査を選ぶ人のほうが多くなるだろう。

がんを「グーグル検索」する?

グーグルは 錠剤を使ったがん診断を研究している (Thnikstock)

グーグルは 錠剤を使ったがん診断を研究している (Thnikstock)

グーグルでたいていのことは検索できるのだから、がんを探すことだって不可能でないかもしれない。

検索エンジン最大手の同社は現在、人間の血流に乗ってがん細胞を探し出す、微小磁気粒子を埋め込んだ錠剤の開発に取り組んでいる。ウエアラブルセンサーが錠剤からの信号を受信、患者はその結果をアップロードし、主治医に送信できる。

AP通信の報告では、その錠剤は実験段階にある。成功すれば、多くの種類のがんの早期発見が容易になるだろう。

体内で治療法を見つける

がん細胞は健康な細胞と共通の性質を持つ。つまり、免疫システムはがん細胞を見逃してしまう。しかし、もし免疫システムを再プログラミングして、がん細胞を認識、攻撃するようにできたらどうだろう。

この概念は免疫療法と呼ばれ、1980年代から科学者の間で研究されている。病気と闘う白血球を遺伝子操作し、がん細胞を攻撃するように変える研究が行われている。さまざまな問題はあるが、成功が期待できる臨床試験を調査している専門家のなかには、免疫療法を治療法として確立する可能性があると考える者もいる。サイエンス誌は、免疫療法を2013年の画期的な科学的偉業に選んだ。

研究者たちはがん患者の白血球を遺伝子操作して、がんを攻撃するよう免疫システムをプログラミングしている (Shutterstock)

研究者たちはがん患者の白血球を遺伝子操作して、がんを攻撃するよう免疫システムをプログラミングしている (Shutterstock)

米国国立がん研究所のグローバル医療センターは、多くの低・中所得国で研究助成や医療研修を実施している。

*この日本語文書は国務省の国際情報プログラム課により運営されているウェブサイト「シェアアメリカ(ShareAmerica)」に掲載された記事(2014年11月19日)の参考のための仮翻訳で、正文は英文です。オリジナルの英文はこちら:https://share.america.gov/new-ways-to-detect-treat-cancer/