レノア・アドキンス

アメリカ人はチェスに夢中です。ゲームは至る所で行われています。

米国チェス連盟で報道担当を務めるダニエル・ルーカスは、何百万人もがオンラインでこのゲームを楽しんでいると言います。インターネットチェスなら、世界中のプレーヤーに対して自らの戦略を試すことができるのです。

夏の間は、多くのアメリカ人が屋外のチェステーブルで対戦します。例えば、セントルイス・チェス・クラブは、この中西部の都市にチェス・ポケット・パークをつくる際に、ボードが描かれた屋外テーブルを設けました。

ルーカスによれば、チェスプレイヤーとして最も急成長しているグループは18歳以下の生徒です。それは、チェスの学問的な利点を理解する学校が増えているからだと説明します。生徒たちは、学校のチェスクラブや放課後のプログラムに参加しています。

「チェスフォーラム」は、ニューヨークのチェスブームを支える店舗の一つで、あらゆる年齢層のための大会に加え、気軽に参加できるゲームも開催しています。ここは、アメリカのグランドマスターであるボビー・フィッシャーや、ダダ・アーティストのマルセル・デュシャンなどの著名人を魅了したチェススタジオの跡地にあります。オーナーのイマド・カチャンによれば、フォーラムは初デートの場所としても人気があります。

ニューヨークのチェス店の前でゲームを楽しむ人々 (State Dept./Michael J. Friedman)

ニューヨークのチェス店の前でゲームを楽しむ人々 (State Dept./Michael J. Friedman)

デート相手を連れてくる場所としては賢明な選択だとカチャンは話します。チェスによって、相手の思考やプレッシャー、場合によっては恋愛のプレッシャーにどう対応するかが分かるからです。彼はこの店のチェステーブルで、何度かプロポーズを取り持っています。

同連盟の最新の調査によれば、チェスに興味を持つアメリカ人は7000万人にのぼるといいます。連盟は新型コロナのパンデミック初期には会員数を減らましたが、現在では8万3000人と、ほぼ元のレベルににまで回復しています。

「アメリカ人は競争が大好き。特に一騎打ちのようなゲームはね」とルーカス。「これは、他人の知性への挑戦なんですよ」

バナーイメージ:盤を研究して次の一手を打つプレーヤー。2021年、ワシントンDCのデュポンサークルにある屋外スペースにて (© Sarah L. Voisin/The Washington Post/Getty Images)

*この記事は、ShareAmericaに掲載された英文を翻訳したものです。