ローレン・モンセン

英語を話すアメリカ人が当世の実情に合う言いまわしを創作すると、辞書もそれに合わせて新たな言葉の定義をリストに加えます。

最近加えられた言葉は、パンデミックや米国民の多様性に対する認識の高まりを反映しています。

メリアム・ウェブスターの辞書とランダムハウス大辞典をベースにしているオンライン辞書「ディクショナリー・ドットコム(Dictionary.com)」は今年、これまでに数百の単語やフレーズを追加しました。

パンデミックの「ニューノーマル」を踏まえ、メリアム・ウェブスターは、「pod」と「bubble」を新たに加えました。共に、「家族、友人、同僚、クラスメートなど、通常は少人数のグループで、伝染病の流行時に感染の危険性を最小限にするため、定期的に密接に関わり合いながら、他の人とはほとんど関わらない人たち」と定義されています。

また、ディクショナリー・ドットコムでは、細菌が付着する可能性のある握手に代わる新しい衛生的な社交儀礼の名称として、「elbow bump(肘タッチ)」を追加しました。

多様性の影響

「Second gentleman」という言葉は、カマラ・ハリス副大統領の夫、ダグラス・エムホフが報道される機会が増えたため、この名誉ある地位に就いた最初の男性としてメリアム・ウェブスターが追加した言葉とニュース好きは認識しています。その定義は、「副大統領または国や管轄区域の首長補佐の夫または男性のパートナー」です。

ディクショナリー・ドットコムでは、辞書編集者のヘザー・ボニコウスキーと編集長ジョン・ケリーが、「不平等、不公平、そしてその深い原因に対する認識の高まり」を受け、多くの企業が職場での公平性を促進する取り組みを開始したと紹介しています。その結果、DEI(diversity, equity and inclusion、多様性、公平、インクルージョン)や、JEDI(justice, equity, diversity and inclusion、公正、公平、多様性、インクルージョン)という頭字語が、その参考文献に登場することになりました。

英語という言語の創造性とダイナミズムのバロメーターとして、スラングに勝るものはありません。「喜びを表す感嘆詞あるいは素早く強い動作を表す動詞として『yeet』という多機能なスラングが大ヒットしたのは、ブラック・ソーシャル・メディアのおかげだと言えるでしょう」とボニコウスキーとケリーは、ブログに書いています。

「Finna」も採用となりました。「アメリカ南部の方言で、すでに準備や計画が進んでいることを示しながら、直近の未来を示すのによく使われるフレーズ、フィクシング・トゥー(fixing to)のアフリカ系アメリカ人に特有の英語バリエーションを表す音声スペリング」と定義されています。「Oh, no, she finna break his heart!(まずい、彼女は彼を振るつもりだ)」のように使われます。

また、代名詞の「y'all」が若者の間で人気を集めています。これは、アメリカ南部の英語や黒人英語で古くから使われてきた「you-all」が変化したものです。ボニコウスキーとケリーは、「y'all」が地域のアイデンティティーよりもインフォーマルなトーンを伝えるようになったと指摘しています。この言葉は、かつて「you guys」を使っていた人たち、つまり「y'all」に性別のイメージがないことを評価する人たちに人気があると説明しています。