マーク・トレイナー

7月4日は、他の何にもまして、米国の誕生を祝う日である。1776年に、13の英国植民地が独立宣言を採択し、アメリカ合衆国が誕生した日を米国民は祝う。

誕生日のパーティーは、友人同士の小さな集まりから、騒々しい豪華版のパーティーまで、形式も規模もさまざまであるが、これと同じく、7月4日の祝典もごく小規模のものから非常に大がかりなものまで、あらゆる規模のお祝いが米国各地で行われている。この日に米国を訪れれば、どこへ行こうとパレードに出くわすだろう。アイオワ州の小さな町なら、パレードのメインは町の消防車や、ひらひらなびくリボンで飾った自転車に乗っている子どもたち程度だろう。サンフランシスコに近いカリフォルニア州アラメダ市へ行けば、3マイルも続く沿道に集まった2万人の観衆の1人として、音楽隊や騎馬隊や巨大な山車が行進する大規模なパレードに歓声をあげることになる。

Fourth of July Parade in Anchorage

アンカレッジでの2012年の独立記念日パレード (JR Ancheta, The Anchorage Daily News/AP Images)

この写真は、アラスカ州南部にある人口30万の小さな都市、アンカレッジである。この町の7月4日は、町の真ん中にあるデラニー・パーク・ストリップで食べるパンケーキの朝食から始まる。「いろいろな催し物や食べ物のブースがあります」と長年アンカレッジに住むポーラ・コンルーは言う。「みんな公園をぶらついてから、パレードを見物します。消防車やクラシックカー、楽隊がパレードします」

しかし、アンカレッジははるか北に位置しているため、花火が始まる時間はずっと遅くなる。「花火は真夜中に始まりますが、それでも外は真っ暗ではありません」とコンルーは言う。

アンカレッジから3300マイル離れたニューヨークでは、暗くなるのがもっと早い。そこでは、ハドソン川の上空1マイル半にわたり22トンの花火が打ち上げられ、800万人のニューヨーク市民が見物する。全米最大規模の花火大会である。

Fireworks in NY

ニューヨーク、ハドソン川の上に上がる花火。花火の前面には、建国記念日を祝して赤、白、青の明かりが点灯するエンパイアステート・ビルが見える (Kathy Kmonicek/AP Images)

しかし、花火の明るい光と愛国的な音楽にばかり気を取られてはいけない。パイ焼き大会が開催され、線香花火を楽しむ中西部の田舎町の広場であれ、オーケストラと大砲が付き物のボストン港であれ、7月4日の祝典では、米国民としてのアイデンティティーに対する自負心と、規模を問わず地域社会が米国民を形作っているという意識が結びついているからだ。