2014年6月5日にLGBTの権利に対する意識向上を促すパー
以下は、茂木と石田がパーティーの感想やLGBT問題で学んだことについて話し合ったことを、対談形式でまとめたものです。
石田(I): こういう大使公邸でのパーティーは初めてだったと思うけど、どうだった?
茂木(M): 最初は大使館でのレセプションってどんな感じなんだろうって緊張していたけど、ホームパーティーみたいなアットホーム感があったから緊張せずに楽しめたし、みんなとってもオシャレだったね!ゲストに各界から著名人が来ていて、LGBTが多様な分野から注目されているんだなって思った。
M: セクシュアルマイノリティーのシンボルカラーである6色のレインボーカラーを意識した服装の人もたくさんいて、華やかだったね。今回たくさんのLGBTの人に出会ったと思うけど、一番印象的だったことって何?
I: なによりも、LGBTの人たちの明るさとフレンドリーさがすごく印象的だった。みんなとにかく話しやすくて、自分の思っていることを積極的に話してくれて、そのパワーに良い意味で圧倒されちゃった!中でも中野区議の石坂わたるさんとお話しする機会があったんだけど、彼はLGBTの人が暮らしやすい街づくりのために、区役所に同性カップルの住居に関する相談所を設置して支援したりしているんだって。そういった活動は彼自身がLGBTとして実際に経験した苦労を生かして取り組んでいるんだと熱く語ってくれたことが印象的だったな。
M: 私も戸籍自体を変更して男性になった人にお話を聞かせてもらったよ。彼は、トランスジェンダーの特例を利用して、戸籍を女性から男性に変えて戸籍上では男性なのに、もともと男性として生まれた人と区別されていることを疑問に思い、自ら裁判を起こしたんだって。そして、最高裁判所で彼の申し出は認められて、精子提供をうけて生まれた奥さんとのこどもを、「嫡出子」として戸籍に記入することができるようになったんだ。ただでさえ日本においては裁判を起こすのは簡単なことじゃないのに、LGBTとして自分の権利を法に訴えて、権利を勝ち取るなんて、本当に意義深いことだと思うよ。
I: そうなんだ!でも裁判を起こさないと認められないのって悲しいね。彼らのように奮闘する人は日本にもっといるんだろうな。ちなみに、あずさちゃんは、周りにLGBTのお友達っている?
M: 私はアメリカに留学する前からLGBTの友達がいたけど、オープンにしていたのは彼たった一人だけだった。だけど、留学中には、自分がLGBTだということをオープンにしている人に何人も出会ったし、なかには結婚している人もいたんだ。日本とはLGBTをめぐる状況が違うんだなぁと感じたよ。
I: 私の周りの友達はLGBTっていう言葉を知らない子も多くて。日本ではまだ認知されていないんだなって思った。実は私自身もこのパーティーで初めてオープンな LGBTの人とお話しする機会があったっていうぐらい。でも、こうした機会が増えることでLGBTの人たちとのコミュニケーションを持つことができれば、みんな同じ人間なんだから、別に区別する意味もないって気が付くことができるような気がするな。
【ジョージ・タケイ氏について】
M: 今回のイベントではスタートレックでお馴染みのジョージ・タケイさんにもお会いできたけど、タケイさんはLGBTの権利のためにすごい情熱を持っている人だったね。しかもあまりLGBTについて知らない人たちにも、分かりやすいようにメッセージを発信する力を持っているなあと感じたよ。
I: 夫のブラッドさんとの雰囲気もとっても素敵だった!タケイさんが話している様子を大切に見守っている温かい様子がとっても印象的だったな。
M: 私は特に、タケイさんがインタビュー中に何度も言っていた“Hope(希望)”っていう言葉がすごく印象に残ってる。日本にいるLGBTの人たちの未来にすごく希望を持っているのを感じた。彼みたいに前向きなリーダーが活動を盛り上げてくれると、周りの人もポジティブにLGBTの課題に一緒に取り組むことができるよね!
I: びっくりしたのは、ゲストに安倍首相の夫人、昭恵さんも会場にいらしていたこと!後から調べたら、彼女はHIV/エイズ撲滅活動も積極的に行っていて、国連合同エイズ計画の会議にも参加したことがあるって知ったんだ。私が日本にいて、普段それほど意識していなかった問題に積極的に取り組んでいる姿勢にとっても感銘を受けた。「性的指向に違いがあろうと人を愛する気持ちの尊さに変わりはない。私の声がLGBTの人たちのためになるなら、それ以上の喜びはない」って、最初のスピーチでおっしゃっていた。日本のファーストレディーで、彼女のように自分の考えのもとに積極的に表に出て活動をする人は歴史上初めてだって、タケイさんもスピーチで言ってたね。こういう女性が日本の社会を引っ張ってくれたら、LGBTだけでなく、女性や他のマイノリティーの問題の解決にもつながると思うよ。
【日本におけるLGBTの活動】
I: そういえばこの前、代々木公園でレインボーの旗を持った人たちを見かけたけど、あの人たちもLGBTの活動をしている人たちだったよね。
M: そうだね。私の大学の友達も何人か参加していて、レインボーの服をきてパレードをする写真をFacebookにあげていて、楽しそうで、私も来年は参加したい!と思った。こういった参加しやすい活動が、LGBTの人たちの権利について考えるきっかけとなってくれたらいいよね。
I: うん。パーティーに参加していたLGBTの活動を行っている人たちの多くが、実名ではなく、活動のための名前を使っていたけど、実名で堂々と活動することができるように私たち若い世代も一緒になって、どんな人も生きやすい世の中にみんなでしていきたいなってすごく思った。
M: 性同一性障害の人が特例として戸籍の性別を変えることができるようになったけど、LGBTの権利については、日本の法律はまだまだ改正されるべきだと思う。マイノリティの権利って、みんなが自分たちの問題として意識しない間は、なかなか認められないものだよね。今回のレセプションを通して、こういった活動の重要性について、積極的に発信していく大切さをあらためて実感できた気がする。法の整備は簡単なことじゃないけど、LGBTの人権について多くの人に知ってもらうことがその第一歩になると思うから、学生インターンの活動を通して少しでも性の多様性を認める社会作りの手助けができたら嬉しいな!
I: タケイさんがゲイであることをカミングアウトした時、「LGBTへの偏見は人種偏見と似ている」って言ったのが印象的だった。私は大学で黒人問題について学んでいるから人権についてよく考える機会があるんだけど、タケイさんの言葉を聞いて、何百年も前に黒人に対してあった偏見も、LGBTの人に向けられている偏見も根本の問題は同じことなんだって感じた。そういう差別がいまだに繰り返されている理由の一つに、無知もあると思うから、もっとLGBTの人たちのことを知ってもらいたいし、そうした活動に今後積極的に参加していきたい。そしていつか「LGBT」って言葉もなくなるぐらい人との違いを自然に受け入れられる世の中にしたいと思う。これほど強い思いは大使館のイベントに参加しなかったら生まれなかったと思うから、今回参加できたことを本当に感謝してる!
わたしたちの旅は、ゲイの兄弟たち、そしてレズビアンの姉妹たちが、法の下で他のあらゆる人と平等に扱われるようになって初めて完全なものとなるのです。というのは、もし人間が真に平等に創られているのなら、互いに誓い合う愛も、必ず平等でなければならないからです。
“Our journey is not complete until our gay brothers and sisters are treated like anyone else under the law ― for if we are truly created equal, then surely the love we commit to one another must be equal as well,”
Barack Obama -President of the United States-
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