天文学者がこれまでSFの世界でしか想像できなかった遠方銀河を研究する宇宙ミッションが、NASAの望遠鏡でスタートしました。
科学者たちは、2021年12月25日に打ち上げられたジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が、宇宙の起源について新たな知見をもたらすと期待しています。この望遠鏡は、太陽系を詳細に調べ、数十億年前のビッグバンの後に形成された遠方銀河の探索に必要な装置を備えています。
ウェッブ望遠鏡は、史上最大かつ最も強力な望遠鏡です。
「ウェッブ望遠鏡への科学的な期待は、かつてないほど身近なものとなっています。私たちは、これまで見たことも想像したこともないような、本当にわくわくするような発見の時を迎えています」。NASA科学ミッション本部のトーマス・サーブケン副長官はこう述べました。
ウェッブ望遠鏡により、太陽系と多くの観測可能な銀河が歩んできた歴史について、あらゆる段階の研究が可能になります。この画期的な望遠鏡がもたらすと期待される発見をいくつか紹介します。
- 天文学者はウェッブ望遠鏡から得られるデータを利用し、遠方銀河に生命が存在するか、その痕跡を探すことになるでしょう。
- 研究者は、大きな銀河に囲まれた遠方のブラックホールの大きさを測定することができるようになります。
- 天文学者はウェッブ望遠鏡を使って、形成に数百万年を要する17の活動的な惑星系を研究する予定です。
ウェッブ望遠鏡の特徴は、遠くの天体から届く赤外線をより詳しく調べられることです。対象とする最終目的地は、地球から約160万キロメートル離れています。
望遠鏡は3階建てビルほどの高さで、重さは6500キログラム以上、鏡の幅は6.4メートルです。テニスコートほどの大きさの望遠鏡のサンシールドは、摂氏マイナス191度の温度を維持します。
鏡のサイズが大きいため、望遠鏡の展開には1カ月を要します。ウェッブ望遠鏡が宇宙から最初の画像を提供するのは、打ち上げから6カ月後の予定です。
100億ドルを投じたウェッブ望遠鏡は、1990年に打ち上げられた前身のハッブル宇宙望遠鏡に続くものです。このミッションは、NASA、欧州宇宙機関、カナダ宇宙庁の協力のもとで行われています。ウェッブ望遠鏡は南アメリカ大陸北東部沿岸のフランス領ギアナから打ち上げられました。
この望遠鏡は、1960年代にNASAの長官を務めたジェームズ・ウェッブにちなんで命名されています。
バナーイメージ:これまでのNASAのミッションに比べ、遠方銀河のデータをより多く取得できるジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡 (NASA GSFC/CIL/Adriana Manrique Gutierrez)
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