女性と少女に関する評議会

2009 年3月11 日、オバマ大統領は、「女性と少女に関するホワイトハウス評議会」を設置する大統領令に署名した。この評議会は、あらゆる年代の女性が直面する問題への各政府機関の取り組みを監督することを目的としている。署名に先立ち、大統領は自身の人生にかかわりのあった女性たちについて語った。

「私は単に大統領としてだけではなく、息子として、孫として、夫として、そして父親として、この大統領令に署名しました。私は、自らの力で学校を卒業し、人を助けたいという熱い思いに突き動かされる母の姿を見ながら成長しました。同時に、勉強しながら家計をまかない、妹と私を養育することに腐心し、誰にも頼らず私たちを育ててくれた母の苦労も見てきました。また祖母が苦労して、ハワイ州初の女性の銀行幹部の1人になる様子も見てきましたが、それはまた、祖母が『ガラスの天井』に行く手を阻まれる、つまり祖母よりも能力的に優れているわけではない男性たちが、次々に祖母の先を越して女性と少女に関する評議会昇進するのを見ることでもありました。ミシェルはオバマ一家を支える土台ですが、私は、彼女が誰よりも巧みに、そして優雅に、仕事と子育てを両立させるのを見てきました。しかし、時にはそれがどれほどミシェルを苦悩させるかを、つまり娘たちのそばにいる時には仕事のことを心配し、仕事をしている時には娘たちのことを心配する様子を見てきました。私も毎日、そうした思いでいます」


公平賃金法

就任からわずか10 日後に、オバマ大統領が大統領として初めて署名した法律は、性別、人種、年齢に関係なく正当な賃金の支払いを促すことを目的とする「2009 年リリー・レッドベター公平賃金法」だった。大統領は、この法律の名前の由来となっているリリー・レッドベターさんについて次のように説明した。「彼女は熱心な労働者として、20 年近くの間、自分の仕事を立派に勤めた後に、長年彼女に支払われてきた賃金が、全く同じ仕事をしていた男性の同僚よりも少なかったことを知ったのです」


職場の柔軟性に関するフォーラム

2010 年3月31 日、ミシェル・オバマ大統領夫人は、大統領、大統領夫人、ならびに「女性と少女に関するホワイトハウス評議会」が主催した「職場の柔軟性に関するホワイトハウス・フォーラム」で講演し、米国の働く男性・女性が、家庭のニーズを犠牲にすることなく仕事上の責任を満たすことができる職場慣行をつくることの重要性を説いた。ミシェル夫人は、「柔軟な雇用方針により、従業員の生産性は低下するのではなく、むしろ向上します」と言い、「従業員は、家で何か起きているのではないかと心配しながらオフィスで時間を過ごす代わりに、仕事に集中するために必要な支援や精神の安定を得られるので、家族にとっても、会社の損益にとってもプラスです」と付け加えた。

オバマ大統領は、「職場の柔軟性は女性だけの問題ではありません。家族の幸福と企業の成功にも影響を及ぼす問題です」と力説した。そして「今日のグローバル経済で競争するために必要な、未来に向けた職場や仕事を創出できるかどうかは、米国経済の強さに影響を及ぼします」と付け加えた。

フォーラムに合わせ、大統領経済諮問委員会は、職場の柔軟性がもたらす経済効果(欠勤の減少、離職率の低下、従業員の健康の改善、生産性の向上)に関する報告書を公表した。この報告書はオンラインで入手可能


国際勇気ある女性賞

2010 年3月10 日に国務省で行われた授賞式で、ミシェル・オバマ大統領夫人とヒラリー・クリントン国務長官は、世界各地で人権活動に従事する10 人の女性活動家に今年度の「国際勇気ある女性賞」を贈り、彼女たちの功績をたたえた。国務省初の国際女性問題担当の無任所大使に任命されたメラニー・バービー大使は、「この10 人の女性たちは、個人的に直面した困難、脅威、逮捕、暴行に打ち勝ち、人権活動に身を投じてきました」と述べた。「政治問題で女性の意見が取り入れられることの少ないアフガニスタンでの女性の発言権を強化する取り組みから、ジンバブエでの人権侵害の立証まで、この勇敢な女性たちは、世界中で自由と平等を拡大することを生涯の仕事としています」

ミシェル夫人は、受賞者たちが危険を冒し、自ら進んで耐えようと思う人がいないほどの苦難に耐えたことを称賛した。ミシェル夫人は、会場の招待客の中に、ホワイトハウスの指導教育プログラムに参加する若い女性がいることにも触れた。同プログラムでは、地元の高校に通う若い学生とホワイトハウス職員にペアを組ませ、職員が学生を1年間指導する。

オバマ夫人は若い女性たちに「よく聞いてください。この女性たちが過酷な脅威に耐えることができたのであれば、きっとあなたたちにもできるはずです。(中略)世の中に影響を及ぼす行動を起こすには若すぎる人は、ここにはひとりもいません」と語った。そして、勇気ある女性賞受賞者から何かを感じ取ってほしい、と米国の若い女性たちに訴えた。