大石マリコ 在日米国大使館 報道室インターン

私自身がフィリピンで生まれ育ったこともあり、日本と同じ島国フィリピンでの赴任を終え、昨年8月に日本に着任したキャロリン・グラスマン広報・文化交流担当公使にインタビューする機会をいただき、うれしく思いました。大使館近くの職員宿舎を訪ね、広い住宅のリビングで外交官の仕事や私生活などの話を伺い、多くのことを学びました。

フィリピンでの勤務

グラスマン公使は2015年から2018年まで、広報・文化交流担当公使として、在フィリピン米国大使館に勤務していました。フィリピンでは、多くのクリエイティブで有能なフィリピン人たちと出会い、現地の人たちの温かいおもてなしの心や優しい気持ちに感動したと話していました。フィリピン人のハーフとして、公使がフィリピンの良さを語ってくれ、とてもうれしく思いました。

再び東京へ

グラスマン公使が日本に初めて赴任したのは1997年のことです。当時は、大使館の文化交流部で働くと同時に、東京アメリカンセンター副館長の職も兼任していました。公使は東京が大好きで、私生活や仕事を通して出会う人たちの優しさや、温かさ、友情に感謝していると言っています。

世界を駆けまわる

グラスマン公使は1995年に国務省に入省、フィリピンと日本の他に、ハンガリーと韓国に赴任した経験もあります。

外交官の仕事に海外勤務はつきものですが、外交官の仕事で一番つらいことは、家族と離れて暮らさなければならないこととグラスマン公使は言います。彼女はイリノイ州シカゴ出身で、仲の良い家庭で育ったことから、家族とはメールなどで定期的に連絡をとりあったり、時間がある時は、会いに行くこともあるそうです。また赴任先では、積極的に人とかかわり、友人たちとの交流を楽しみます。

世界各地での子育て

グラスマン公使には、大学生の息子が3人います。子どもたちは、海外勤務の度に、転校や友達づくり、慣れない文化や言葉など、生活面での苦労があったにもかかわらず、外交官として働く彼女の仕事の難しさを理解してくれたと言います。3人とも現在は米国の大学に通っていますが、子供時分に世界各国の人たちに出会い、世界について学ぶ機会を得られた経験を非常に前向きにとらえているそうです。

ペットに囲まれて

ペットに関してイヌ派かネコ派のどちらかと聞いてみたところ、グラスマン公使からは「両方!」という答えが返ってきました。グラスマン公使は、東京ではネコ2匹、イヌ2匹と一緒に暮らし、ペットたちのおかげで、引っ越す先々で、ペット好きの人たちと仲良くなっていると言います。また、日本と米国では飼育事情が異なるため、ペットは日本文化を知る新たなきっかけになっていると言います。

日本の若者へのアドバイス

グラスマン公使の日本の若者へのメッセージは、「世界へ冒険の旅に出て!」です。公使は、日本の若者に対して、自分に自信を持ち、新しいチャレンジを受け入れ、あらゆる機会をつかみとってほしいと言います。一度しかない人生、失敗するかもしれないという不安でやりたいことを諦めてはいけないというアドバイスをいただきました。

グラスマン公使へのインタビューは最高の経験

私は今までインタビューをしたことはなく、まして外交官とのインタビューは初めてのことでした。しかし、グラスマン公使から人生について大切な事を学ぶことができ、今回のインタビューは大変貴重な経験となりました。

私の父は日本人ですが、私はフィリピンで生まれフィリピン人の母に育てられました。7年前家族と日本に戻ったとき、カルチャーショックを受けました。日本が自分の場所だと意識したことはありませんが、この国で暮らすことにしました。今は大学4年生で、自分の多文化知識や多言語力を活かせ、かつ人の役に立つ仕事につきたいと準備を進めています。将来に向けて準備するという意味で、いくつかのインターンシップへの応募を決めましたが、中でも、米国大使館でのインターンシップが、私の人生に最も大きな影響を与えたものとなりました。

大使館では、広報・文化交流部での学生インターンとして、大使館の仕事について学ぶ機会に恵まれました。ソーシャルメディアの仕事や文化イベントなどに携わることができ、全てが有意義で充実した経験となりました。

大学卒業後、私は社会人として新たな一歩を踏み出します。正直に言うと、自分の将来に不安や心配もあります。でも米国大使館でのインターンの日々を思い出し、これからどんなことが起きようと、その経験を活かし、自分を信じて、前進し続けていこうと思います。

アメリカ大使館でのインターンシップについてはこちらのサイトをご覧ください。