ノエラニ・カーシュナー

女性は昔から、ストリートハラスメント(公共の場におけるハラスメント行為)から身を守るため、着る服、ふるまい、歩く場所など、いろいろな注意を受けていました。今日、世界各地でさまざまな団体が立ち上がり、その行為の責めは加害者と彼らを大目に見てきた社会が負うべきだと訴えています。

「一般的な意見とは正反対に、多くの女性が日々不快な言葉をかけられ、嫌がらせを受けていることと、女性の身なりとは何の関係もありません」。キャットコールズ・オブ・シカゴの創設者、ヨラ・ミジージは、それは権力、女性蔑視、女性の身体的自立を奪いたい人々の欲望と大いに関係があると言います。

ミジージは、世界でソーシャルメディアや草の根活動を通じてストリートハラスメントの原因に取り組み、それを止めさせる活動を展開している数多くの女性の一人です。

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キャットコールズ・オブ・シカゴは、ニューヨーク市に住むソフィー・サンドバーグが始めたSNS「チョーク・バック」の一部です。キャットコールズのアカウントは、ベルリンやボゴタなど世界各地にあり、ストリートハラスメントの経験を世界中で共有するためバーチャルにつながっています。

この運動に参加する女性たちは、路上で経験したストリートハラスメントのことを書き、あるいは記録することで、この問題に対する社会の関心が高まることを求めています。

「責任を負うこととは、物を名前で呼ぶこと」とキャットコールズ・オブ・ナイジェリアの創設者カリモト・オディボードは言います。「あらゆる人を守る法律、つまりストリートハラスメントを犯罪だとする法律を導入することで、加害者と嫌がらせをする人たちの責任を問うことができます」

法律でハラスメントを止めさせる

2年前、イングランドとウェールズで、マヤ・タトンとジェンマ・タトンの姉妹はストリートハラスメントを違法とする「アワ・ストリーツ・ナウ」という全国的な運動を始めました。

プラン・インターナショナル・イギリスによると、イングランドでは14歳から21歳の女性の3人に2人がストリートハラスメントを経験したことがあると言い、3人に1人はハラスメントにあったのは制服を着ていた時と回答しています。

マヤ・タトンは、「安全であることは、生活の基本要件であることに異論のある人はいないと思います」と訴えます。

姉妹の活動は、政府に対してストリートハラスメントを違法行為とする法律の作成と成立を求める訴えを起こし、オンライン陳情には40万以上の署名が寄せられました。

アワ・ストリーツ・ナウはまた、イギリス国内の教師に教育リソースを提供し、ストリートハラスメントの原因について学生たちの意識を高め、対女性だけでなく、あらゆるストリートハラスメントを止めさせる活動も展開しています。3月のBBCの取材にマヤ・タトンは、「責任を女性に背負わせ続けるべきではない」と語りました。

ストリートハラスメントに立ち向かうための研修

ストリートハラスメントの被害者は女性だけではありません。オンラインでストリートハラスメントの反対運動を国際的に展開するホラバック!(Hollaback!)は、世界中の女性、LGBTQI+、そして非白人系の人たちに、ブログやアプリでストリートハラスメントを報告するよう2005年から働きかけています。

地域で起きたストリートハラスメントを報告する仕組みにより、被害者はその地域のハラスメントの度合いに対する人々の意識を高めることができます。

ホラバック!はまた、傍観者介入の教育プログラムも提供し、ストリートハラスメントの目撃者が嫌がらせを安全に止めさせる方法を教えています。2021年の受講者数は過去最多を記録し、世界中で24万人以上がこの研修を受けました。

性別に基づくあらゆる形態の暴力を阻止し、それに対応することは、アメリカ政府が掲げる民主主義の推進、人権促進、男女平等の中核をなしています。

アメリカは今年、初となる性別に基づく暴力を止めさせる国家行動計画を発表する予定です。