米国のイノベーターは、世界の最も差し迫った問題解決を支援するため、新たなコンピューターを開発しています。

今年の作物収穫量で十分な食料が確保できるでしょうか? 航空会社が猛烈な暴風雨を避け遅延を防ぐため、迅速にルートを調整したい場合はどうすればいいのでしょう?

量子コンピューターは、現代のコンピューターより高速にデータを分析・計算する能力があり、科学から航空、金融に至る幅広い分野を変革することができます。

米国政府は8月、量子コンピューターや人工知能など先端技術の研究に10億ドルを投資しています。何社かの米国企業は、すでにこれらの高度先端コンピューターを開発しています。

メリーランド州カレッジパークに拠点を置くスタートアップ企業、ハネウェルとIonQは先日、それぞれの量子コンピューター技術の進展状況を公表しました。電子や光子など素粒子レベルでデータを処理するコンピューターです。またAP通信によると、最新のスーパーコンピューターより高速にデータを処理できるそうです。

その技術についてIonQは、個々の原子にレーザーを照射することで高度な計算を行うことができると述べています。他にも、グーグルやIBM、リゲッティ・コンピューティングなどの企業が量子技術を構築しています。マイクロソフトとインテルは、教育分野に投資し、量子コンピューターで作業する学生を育成する「全米Q-12教育パートナーシップ」など官民主導による取り組みのメンバーになっています。

専門家は、この技術をさらに洗練する必要があると言います。

ホワイトハウスは8月26日、全米5カ所の量子情報科学研究センターに5年間で6億2500万ドルを投資すると発表しました。米国の民間部門と学術界は、これらのセンターにさらに3億ドルを拠出しています。

「重要なのは、これらの研究所は、技術進歩に対する米国独自の自由市場的アプローチを体現しているということです」と、ホワイトハウスのマイケル・クラチオス米国最高技術責任者とクリス・リデル大統領次席補佐官(政策調整担当)は、8月26日の声明で述べています。「各研究所は、連邦政府、産業界、学術界を結集し、米国のイノベーション・エコシステムの力と専門性をフルに活用する体制を整えています」

バナーイメージ:1月にラスベガスで開催されたテクノロジーショーで、IBMが初公開した量子コンピューターに見入る来場者 (© Ross D. Franklin/AP Images)