マイケル・ラフ

昨年ロシアに侵略される前、マヤ・ボンダレンコはウクライナのハルキウで、地元のペットシェルターでボランティアをしたり、暇さえあればキャンドルを作っていた、のんきな10代だったと言います。

戦争が始まってからは、高齢者に食料を配布し、青少年にメンタルサポートを提供する非営利団体でボランティアをしています。「このような活動を通じて、自分の中に戦争では壊せない新たな強さと立ち直る力を見出しています」と、ボンダレンコは国務省のShareAmericaに語ります。

ボンダレンコは今年8月、ウクライナの4人の学生とともに、ペンシルベニア州のディキンソン大学に留学することになりました。彼らの4年間の学費を負担するのは、新しい奨学金制度です。ディキンソンの卒業生であるサム・ローズが、この奨学金の原資として200万ドルを寄付しました。ローズの祖父はキーウ生まれです。

アメリカの大学は、ウクライナからの留学生を支援する役割を果たしています。あるNPOによると、戦争が始まって以来、米国際教育研究所(IIE)の「ウクライナのための緊急基金制度」を通じて、140超の大学がウクライナ人学生230人の学業継続を支援してきました。

ニューヘイブン大学(コネチカット州)

カテリーナ・フェディルコにとって、コネチカット州のニューヘイブン大学での授業開始は、長い旅のほんの一部でした。

フェディルコは、昨年2月の侵攻直後に家族をオデーサに残してまずエストニアに移り、交換留学生としての学期を終えました。

現在はニューヘイブン大学で国際ビジネスを学ぶ2年生となり、ウクライナ人学生を対象とした新奨学金制度を利用して授業を受ける最初の学生となりました。このプログラムにより、授業料、生活費、渡航費のすべてカバーされます。

NBCコネチカットの取材に対しフェディルコは、こう話します。「本当に幸せです。ここの人たちはとてもフレンドリーで、寛大、しかも親切です」

アイオワ大学

アイオワ大学の学生であるオクサナ・ヒルチャックは、ウクライナの現代史を記録に残そうとしています。これまでに、故郷の鉱山労働者や、「尊厳の革命」と呼ばれる2014年のマイダン革命の参加者から体験を集めています。ヒルチャックの目標は、戦争に巻き込まれた人たちのための心理療法士になることです。

ヒルチャックは、IIEから「グローバル民主主義大使奨学金(Global Democracy Ambassador Scholarship)」を得た20人のウクライナ人学生の1人です。この奨学金の創設には、シェフのホセ・アンドレス、活動家のガリー・カスパロフ、実業家のダニエル・ルベツキー、元米陸軍中佐のアレクサンダー・ビンドマンが協力しています。

「アメリカの文化についてはまだ多くを学ぶ必要がありますが、自分がここで外国人であるとは感じません」。ヒルチャックはこう話します。

ウェストバージニア大学

キーウ出身のマーク・ヴォディアニイも、グローバル民主主義大使奨学金の奨学生です。現在はウェストバージニア大学に在籍しています。大学では刑法を学び、兵士によるウクライナ人に対する戦争犯罪の訴追を担当したいと考えています。

将来はウクライナに戻り、国家の再建に貢献したいと考えるヴォディアニイは、「職業的、そして道徳的な義務」を感じていると話します。そして、ウクライナを支援する学内の慈善活動に何よりも感謝しています。

「大学やアメリカという国、そして他の国々からウクライナへ支援が殺到していることを、ただただありがたいと思っています」

バナーイメージ:ロードアイランド州のブラウン大学は2022年、ウクライナ出身のエリブ・ブルツェフとオレキシー・シェバノフ(右)に全額給付の奨学金を提供した。米国では140超の大学が同様のプログラムを実施している (© Brian Snyder/Reuters)

*この記事は、ShareAmericaに掲載された英文を翻訳したものです。