レノア・アドキンス

アメリカで罪に問われ弁護人を雇う費用がない場合、裁判所が選任してくれます。弁護人の援助を受ける権利は、合衆国憲法で保障されています。

裁判所が選任する弁護人は公選弁護人と呼ばれ、私選弁護人の費用を払うことができず、もし有罪判決を受ければ自由を失う危険性がある依頼人の代理人を務めます。

公選弁護人が多くの事件を処理するのは珍しいことではありません。米国司法省司法統計局によると、公選弁護人は2013年に、1人当たり50件から590件の事件を処理しました。

「私たちは、私選弁護人と同じように弁護士の資格を有しています。たまたま公職としてのキャリアを選択し、その分野で弁護士をしているのです」。アトランタで29年間公選弁護人を務めた全米法律扶助・弁護人協会のロザリー・ジョイさんはそう述べました。

合衆国憲法修正第6条は、連邦政府に起訴された刑事被告人が弁護人の援助を受ける権利を確立しました。その後、連邦最高裁判所の画期的な判決が下され、この権利を全ての刑事訴追に拡大し、禁固刑を伴う州または連邦レベルの訴追や、重罪または軽犯罪が含まれることになりました。

政府は、さまざまな方法で公選弁護人費用を支払います。州全体の公選弁護人制度を設け、州が費用を負担するところもあります。郡や市に支払いを委ねる州もあります。ジョージア州ではその両方を組み合わせ、費用を相殺するために裁判所の科す罰金と手数料を費用に充てているとジョイさんは言います。コロンビア特別区(ワシントン)では、議会の予算で公選弁護人費用を支払います。

ワシントンで禁固刑に直面する貧困層の子供たちや成人の法的代理業務を提供する公設弁護人制度のローラ・ハンキンス法務部長は、彼女の経験上、こういった被告人はしばしば「不当に重い刑(多すぎる容疑あるいは厳しすぎる量刑)」を科せられているか、冤罪を被っているため、公選弁護人は常に必要だと言います。

弁護士としてハンキンス部長は、犯罪容疑についてより多くの証拠発見に取り組んでいます。容疑を晴らすため、あるいは減刑を目指し、「実際に何が起きたのか確かめたいのです」。彼女はこう述べています。

ハンキンス部長はクライアントに言います。「私がそばについています。頑張りましょう。そして一緒に戦いましょう」