(2015年1月30日)

暴力的過激主義は国際社会全体の問題 (© AP Images)

テロとの戦いは、一貫した戦略を要する国際社会全体の問題である。

スイスのダボスで開催された世界経済フォーラムで、ケリー国務長官は世界の指導者たちに次のように述べた。「暴力的過激主義と戦って勝利するには、その全ての要因についての理解を深めなければならない。なぜなら中身を知らずして考えを変えさせることはできないからだ」

テロとの戦いで、その都度異なる対応をすると、この問題がはびこる環境を無視することになる。ケリー長官はこう語り、孤立、貧困、スリルに対する欲求など、暴力的過激主義の根本的な原因に対処する長期的な取り組みを拡大するよう国際社会に呼びかけた。

この長期的な戦略に加えて、米国とそのパートナー諸国は迅速な行動も取っている。ケリー長官は、米国はイラクの政治改革に関与しており、ダーイシュ(イスラム国)を打倒する多国間の有志連合に参加していると語った。そして、十分な武器を備え、高度な訓練を受け、資金力で優るダーイシュに勝利することが、他のテロ集団との戦いよりも優先すると付け加えた。

暴力的過激主義者は多くの人を殺害し、学校を閉鎖し、生徒を誘拐し、領土を奪ってきた。最近では、パリで罪のない人たちが襲撃を受け、言論の自由が攻撃された、と同長官は述べた。

このような「犯罪的な無政府状態」の行為の中には、イスラム過激主義者が実行したものもあるが、真の問題は宗教ではなく個人にある。

「宗教は村を破壊したり、爆弾で人を吹き飛ばすよう求めたりはしない。宗教について解釈を歪曲したり、全く無知な人たちがそのような行動をするのだ」とケリー長官は語った。

*この日本語文書は国務省の国際情報プログラム課により運営されているウェブサイト「シェアアメリカ(ShareAmerica)」に掲載された記事(2015年1月27日)の参考のための仮翻訳で、正文は英文です。オリジナルの英文はこちら:https://share.america.gov/whats-really-causing-violent-extremism/