リー・ハートマン

米国と東南アジア諸国は45年間にわたり、国民がより健康で豊かな生活を送れるよう協力を進めてきました。

米国と東南アジア諸国連合(ASEAN)とのパートナーシップは、東南アジアの課題によりよく対処するためにASEAN創設から10年後の1977年に始まりました。ジミー・カーター大統領は翌年、初開催されたASEAN閣僚との会議に出席しています。

それ以来、米国とASEAN諸国との貿易関係は数百万人の雇用を支えるまでに成長しました。また過去20年間で、米国はASEAN諸国への保健支援に36億3000万ドル以上を投資しています。

バイデン大統領は、ASEAN加盟国の6億5000万人超の人々との長年にわたる関係をさらに前進させるため、2022年5月12日〜13日にワシントンで米ASEAN特別首脳会議を開催しました。

「われわれのパートナーシップは、自由で開かれたインド太平洋を維持するために不可欠であり、何十年もの間、共有する安全保障と繁栄の基盤となってきました」。バイデン大統領は、2021年10月の米ASEAN首脳会議でこう述べています。

昨年10月のサミットで大統領は、コロナからの復興、保健安全保障の強化、気候危機との闘い、そして経済成長を促進するためのASEANとの取り組みを支援するとともに、ジェンダー平等を促進し、人と人との絆を深めるため、最大1億200万ドルを拠出すると発表しました。

2015年にホワイトハウスを訪問した東南アジア若手リーダーズ・イニシアチブのフェロー (State Dept./Pat Barkhuff)

2015年にホワイトハウスを訪問した東南アジア若手リーダーズ・イニシアチブのフェロー (State Dept./Pat Barkhuff)

ASEANにはブルネイ、ビルマ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの10カ国が加盟しています。

1980年代から90年代にかけて、米国とASEANは16回の共同対話を行っています。1999年には、貿易、投資、教育、技術移転を促進する新たなプログラムが開始され、経済開発に関する協力が飛躍的に増大しました。

2008年、米国はASEAN諸国以外では初めて、ASEANへの代表者を任命しました。2010年には、ジャカルタにASEAN米国代表部を設置しています。

2018年に発足した米ASEANスマートシティ・パートナーシップは、米国の官民の専門知識を結集し、東南アジア26都市で都市化の課題に取り組み、生活の質を向上させています。2021年2月時点で、交通、水と資源の再利用、保健システムを改善するための20のプロジェクトが進行中です。

米国とASEAN諸国間の貿易も拡大しており、2020年には3600億ドル以上の商品とサービスが太平洋を行き来しました。

米国とASEANはまた、次のようなパートナーシップも結んでいます。

  • 南シナ海などで、違法・無報告・無規制の漁業と闘う。ASEANの人々は、食料と生活を海に依存している。
  • 東南アジア若手リーダーズ・イニシアチブ、フルブライトプログラム、技術フェローシップなどのプログラムを通じて、将来のリーダーを育成する。コロナの大流行以前は、ASEAN諸国から米国に留学している6万人近い学生の中に、これらのプログラムの参加生が含まれていた。
  • 再生可能エネルギーへの投資や回復力の構築に加え、森林や水供給に関する衛星モニタリングを通じて気候変動危機に対処し、メコン川などの重要な生態系を保護する。
  • コロナワクチンの提供、医療従事者の研修、検査ラボの支援を通じて、パンデミックに対応し、健康安全保障を推進する。
2021年10月26日、ホワイトハウスから米ASEAN首脳会議にバーチャルで参加するバイデン大統領 (© Susan Walsh/AP Images)

2021年10月26日、ホワイトハウスから米ASEAN首脳会議にバーチャルで参加するバイデン大統領 (© Susan Walsh/AP Images)

ホワイトハウスのサキ前報道官は「バイデン・ハリス政権にとって、東南アジアにおける強力で信頼できるパートナーとしての役割を果たすことは最優先事項です」と述べ、特別首脳会議の開催を発表しました。「この地域に対する共通の願いは、自由でオープン、安全で互いに結びつき、強靭なインド太平洋を前進させるという共通のコミットメントをこれからも支えていきます」

バナーイメージ:2021年9月、インドネシアの集団予防接種クリニックで、コロナワクチン投与前に患者を診る医療従事者 (USAID/Indonesia)

*この記事は、ShareAmericaに掲載された英文を翻訳したものです。