アメリカ大統領は世界中どこへでも、即座に赴く用意ができていなければなりません。幸いにも現代は、大統領はさまざまな移動手段を持っており、そのひとつが大統領専用機「エアフォースワン」です。

厳密に言うと、大統領を乗せていればどの空軍機も「エアフォースワン」と呼ぶことができます。しかし、20世紀半ば以降、最高司令官を運ぶ設備を備えた特定の飛行機を指すことが慣例となっています。現在「エアフォースワン」と呼ばれているのは、特注のボーイング747-200B型機2機です。

エアフォースワンは、アメリカ大統領のシンボルとして最も広く知られているものの1つで、アメリカだけでなく世界中の小説や映画などで何度も扱われてきました。「United States of America」、星条旗、そしてアメリカ大統領の標章が描かれたこの飛行機は、世界中どこでも大きな存在感を示します。

アンドリュー空軍基地でエアフォースワンに乗り込むトランプ大統領 (AP Photo/Susan Walsh)

エアフォースワンは空中給油が可能なので航続距離は無限であり、大統領をどこまでも運ぶことができます。3階建てで総面積は約370平方メートル。大統領専用室には広い執務室、化粧室、会議室が備わっています。手術室にもなる医務室もあり、医師が常に搭乗しています。一度に100人分の食事を用意できる調理室もあります。

機内には、補佐官をはじめシークレットサービス、同行記者、ゲスト用のスペースもあります。大統領が旅先で必要とするサービスを提供するため、通常はエアフォースワンに先行して、複数の輸送機が目的地に向かいます。

メラニア夫人、息子のバロンと共にエアフォースワンから降りるトランプ大統領 (AP Photo/Pablo Martinez Monsivais)

専用機を整備しているのは第89空輸航空団です。フランクリン・ルーズベルト大統領の命を受けて1944年に創設されました。その後15年間、大統領はプロペラ機を利用していましたが、1959年8月、ドワイト・アイゼンハワー大統領が初めて、ジェット機のボーイング707 ストラトライナー(VC-137A)でヨーロッパを訪れました。

大統領専用機に初めて乗った大統領はジョン・F・ケネディ大統領で、1962年のことでした。ボーイング707の改良型でした。その後、複数のジェット機が大統領専用機として使われてきました。現在使用されている専用機のうちの1機は、ジョージ・H・W・ブッシュ大統領政権時の1990年に納品されたものです。