デイブ・レイノルズ

アメリカが総力をあげて挑む新型コロナウイルス(COVID-19)との戦いの最前線で、州兵が活躍しています。州兵は、国内緊急事態と軍の海外派遣という二重の任務に対応することが求められています。

軍の中での州兵の立場は独特です。普段は民間の仕事に従事するか、または大学に通いその傍ら軍事訓練を続けています。そして必要となれば、合衆国大統領、またはそれぞれの州知事からの要請で、即時招集されます。

トランプ大統領は3月22日、連邦政府に対して、COVID-19が猛威をふるうカリフォルニア州、ニューヨーク州、ワシントン州の州兵の活動を全面的に支援するよう指示しました。これにより、各州知事は州兵の指揮権を維持しながら、連邦政府のリソースに効果的にアクセスできるようになりました。

3月21日、カリフォルニア州サクラメントのサクラメント・フードバンク・アンド・ファミリーサービスで、食品を箱に詰める州兵隊員(© Rich Pedroncelli/AP Images)

現在、COVID-19対応のため、アメリカ全土の50州、3つの準州、コロンビア特別区で8000人以上の州兵が 動員されています。

マーク・エスパー国防長官は3月23日の記者会見で、「州兵はドライブスルー検査のサポート、感染リスクが高い人への食料品の配布、地域対応の策定や調整を行う州政府の支援など、さまざまな任務で力を発揮している」と称賛の言葉を送りました。

各州はそれぞれのニーズに合わせた支援を州兵に要請しています。フロリダ州とルイジアナ州では、COVID-19感染を検査する衛生局職員を補佐、アーカンソー州では次から次へと寄せられる公衆衛生電話相談窓口の対応にあたっています。また、メリーランド州、ペンシルべニア州、ウィスコンシン州では、クルーズ船でウイルスに感染した疑いのあるそれぞれの州の住民を輸送、支援しました。

ペンシルべニア州兵総監、アンソニー・キャレッリ空軍少将は、「地域支援は、州兵の最も重要な任務の一つ」と言います。「州兵も地域の住民であり、仲間のために働き、支援することは個人的に大きな意味があります。私たち全員が当事者です」

バナーイメージ:3月23日、ニュージャージー州のCOVID-19検査施設で、交通整理をする州兵飛行士(U.S. Army National Guard/Specialist Michael Schwenk)