2022年2月の侵攻開始以来、ロシア軍はウクライナの穀物貯蔵施設の16%近くを破壊したか、自らの管理下に置いていることが新たな分析で明らかになりました。

これは、ウクライナの小麦、大麦、ひまわり、その他の主食を貯蔵する施設の6分の1に相当します。ロシアの侵攻以前は、世界の食糧の相当量をまかなっていたはずの施設です。

「もしウクライナの農家が冬小麦を植えるのに十分な貯蔵量を確保できなければ、世界的な影響を及ぼす食糧不足に陥る可能性がある」と、エール大学の人道研究ラボ(HRL)のエグゼクティブ・ディレクター、ナサニエル・レイモンドは9月16日、ワシントンのフォーリンプレスセンターで語りました。

そして、穀物サイロの損傷がたとえ軽微であっても、農作物の貯蔵に支障をきたす可能性があると指摘します。

報告書『ウクライナの作物貯蔵インフラ:侵攻後の影響評価』は、非営利団体「Conflict Observatory」を支援するHRLの活動の一環です。Conflict Observatoryは、ウクライナでの犯罪の可能性を含め、ロシアが行った残虐行為の証拠を文書化しています。

破壊を示す最新の証拠

ロシアによる侵攻でウクライナの農作物貯蔵能力が低下したという事実は、ウラジーミル・プーチン大統領の戦争が、世界で何百万人もの人々を脅かす世界的な食糧危機の一因となっている最新の証拠といえます。

この戦争はウクライナの農場を破壊し、食糧の主要供給国であるウクライナの輸出を妨げています。世界食糧計画によると、世界で3億4500万人が深刻な食糧不安に直面しており、45カ国で5000万人が飢饉の危機に瀕しています。

米国は昨年の2月以来、極度の飢餓と栄養不足に苦しむアフリカ諸国を含め、世界各国に57億ドル以上の緊急食糧安全保障援助を提供してきました。

(State Dept./M. Gregory)

(State Dept./M. Gregory)

昨年2月24日の侵攻以来、ウクライナの農業施設への影響を新たに分析した結果、以下のことが判明しています。

  • 少なくとも75の穀物貯蔵施設(ウクライナの貯蔵能力の約5.36%)が損傷または破壊
  • 被害を受けた75施設のうち60施設、つまり80%が港や幹線鉄道の近くに存在
  • 2022年7月現在、ロシアとその同盟軍はウクライナの穀物貯蔵能力の約10.7%を支配

報告書の執筆者は、作物貯蔵施設を意図的あるいは無差別に標的とすることは、国際法上の戦争犯罪となる可能性があると述べています。

国務省のネッド・プライス前報道官は9月15日の声明で、「ロシアの侵略による影響はヨーロッパのはるか外まで拡大し、今や世界中の何千万という人々の健康と幸福に影響を及ぼしている」と述べています。そして、小麦価格が大幅に高騰していることを指摘しました。

「米国は、ウクライナの自由を守るため、ウクライナ国民のため、そしてウクライナの農地からの収穫に頼る世界中の人々のために、断固としてこれからもウクライナを支持する」とプライス前報道官は述べました。

バナーイメージ:ウクライナのザシリヤで爆破された穀物サイロ。2022年7月16日 (© Wojciech Grzedzinski/The Washington Post/Getty Images)

*この記事は、ShareAmericaに掲載された英文を翻訳したものです。