ロシアのプーチン大統領がウクライナへの強硬姿勢を継続する一方で、アメリカと同盟国は衝突の平和的解決を求めています。

ブリンケン国務長官は1月5日、「ヨーロッパの安全保障に関して、バイデン大統領がプーチン大統領に対して明確にしたのは、ヨーロッパ抜きでヨーロッパのことを決めない。完全な連帯、協議だけでなく、参加が重要となることだ」と述べました。

アメリカは、ウクライナの主権とヨーロッパの平和と繁栄を支える国際関係の原則を堅持しています。

ロシアの「うそ」への対抗措置

アメリカ政府は、ロシアによるウクライナ国境周辺での軍備増強、ウクライナと北大西洋条約機構(NATO)に向けたロシア国営放送の真実でない報道に異議を唱えています。ブリンケン国務長官は、紛争を挑発しようとしているのはウクライナだとする「うそ」をロシア側が拡散し続けていると述べ、「問題は、ロシアが外交、緊張緩和に向け真剣に取り組むかどうかだ」と語りました。

サリバン大統領補佐官は12月、アメリカはロシアが指摘する問題点を協議する準備があると述べましたが、バイデン政権はヨーロッパの同盟国とパートナー諸国に影響を与えるいかなる政策に関しても、「当事者抜きに物事を決めない」主義を徹底していることを強調しました。

ロシアは2014年、クリミア半島を非合法的に占領、ウクライナ東部での暴動に対して代理戦争を扇動し、これがきっかけとなりウクライナ紛争が勃発しました。

アメリカ政府は紛争を終わらせる手段として、ミンスク合意の履行を支持しています。この合意は国連が承認したもので、武装解除とウクライナからのロシア軍の撤退を求めています。

この紛争により、推定290万人が2022年に人道的支援が必要になるとされています。また、今まで1万3000人以上が犠牲となり、150万人もが故郷を追われました。

1月5日、国務省で記者会見するブリンケン国務長官 (© Mandel Ngan/AP Images)

1月5日、国務省で記者会見するブリンケン国務長官 (© Mandel Ngan/AP Images)

ロシアがヨーロッパの安全保障への懸念を主張する一方で、ブリンケン国務長官は、ジョージア、ウクライナを占領し、モルドバの合意なしに部隊を駐留させ、他国で政治的敵対勢力の暗殺を試み、国際的な軍縮合意に違反しているのはロシアであることを強調しました。

国務長官は、他国の国境を力ずくで変える、他国の外交政策を指示する、隣国に勢力範囲を確立するといった行動は決して許されないと訴えました。

アメリカとNATOは、大西洋を挟んだ両者の関係強化に取り組んでおり、ウクライナの独立、領土保全、主権に確固たる支援を表明しています。

ブリンケン国務長官は紛争解決の最善策は外交であると述べましたが、NATOの同盟国、EU、G7諸国は、ロシアがウクライナの緊張を高めるようなことがあれば、厳しい制裁を課すことも辞さない構えを見せています。国務長官は、「ウクライナへの新たな攻撃があれば、ロシアは重大な結果に直面することになる」と述べました。