ノエラニ・カーシュナー

国立記念碑は、米国の多様な景観を紹介してくれます。また、気候変動対策にも役立っています。

だからこそバイデン大統領は、3カ所の国立記念碑、ベアーズ・イヤーズ、グランド・ステアケース・エスカランテ、ノースイースト・キャニオンズ・アンド・シーマウントの保護を、本来のより大きな範囲に戻したのです。いずれも、米国で最も美しい場所の一つです。

一般的に国立公園よりも規模が小さい国立記念碑は、国家的に重要な資源の少なくとも一つを保存しようとするものです。

「国立記念碑や公園は我々国民のアイデンティティーの一部だ」。10月8日に行われた記念碑保護回復の調印式で、バイデン大統領こう述べました。「これらは単なる自然の驚異ではなく、我々が世代から世代へと受け継ぐ生得権であり、米国人全員の生得権でもある」

ユタ州南東部にあるベアーズ・イヤーズ国立記念碑は、連邦政府に認められた部族の要請により設立された最初の国立記念碑です。2016年、ホピ族、ナバホ・ネイション、ユタ州オウレイ居留地のユト・インディアン部族、ユト・マウンテン・ユト部族、ズニ族のプエブロからの要請を受け、バラク・オバマ元大統領が設立しました。

ベアーズ・イヤーズ記念碑は52万6000ヘクタール超の広さを持ち、独特の岩の形に加えて、空中庭園や隠れた滝などの希少な生息地を誇っています。この地域は、何世代にもわたって先住民の癒しの聖地とされており、現在も彼らの儀式に使われています。

同じくユタ州にあるグランド・ステアケース・エスカランテ国立記念碑は、1ヘクタールあたりの科学的発見数が米国の他の国立記念碑よりも多いことで知られます。科学者たちは、75万7000ヘクタールの範囲で化石や古代の先住民の文化遺物を発見しています。

メイン州沿岸の小島、イースタン・エッグ・ロックに降り立つアトランティック・パフィン。ノースイースト・キャニオンズ・アンド・シーマウント国立記念碑の約1万3000平方キロメートルのエリアは、メイン州に生息する脆弱なアトランティック・パフィンにとって特に重要な場所 (© Robert F. Bukaty/AP Images)

メイン州沿岸の小島、イースタン・エッグ・ロックに降り立つアトランティック・パフィン。ノースイースト・キャニオンズ・アンド・シーマウント国立記念碑の約1万3000平方キロメートルのエリアは、メイン州に生息する脆弱なアトランティック・パフィンにとって特に重要な場所 (© Robert F. Bukaty/AP Images)

ここは米国で最後に地図が作成された地域の一つで、険しく探索が困難な場所です。グランド・ステアケース・エスカランテは、低地の砂漠から針葉樹林まで、5つの生物分布帯にまたがっています。

海洋生物学者によると、ユタ州の反対側、ニューイングランド沿岸にあるノースイースト・キャニオンズ・アンド・シーマウント国立記念碑は、米国で最もユニークで生物多様性に富んだ生態系の一つです。学者たちは、海洋生物を理解するには、この記念碑の生態系が不可欠と考えていると、バイデン大統領は説明します。

バイデン大統領は、今回の行動の理由をもう一つ挙げました。「科学者たちは、国有地および水域の保護と回復が、気候変動に対する解決策の40%近くを提供できると推定している」

バナーイメージ:ユタ州グランド・ステアケース・エスカランテ国定公園のジェイコブ・ハンブリン・アーチ (© Kojihirano/Shutterstock)