アメリカでは、ある地域の住民が他地域よりも健康的である傾向があります。このことから、56の都市がブルーゾーンプロジェクトを活用し、強く健康的な地域へと生まれ変わろうとしています。

ブルーゾーンは、データを活用し、長寿地域の教訓から学びながら、行政や民間と連携し、住民の健康度の向上と地域経済の活性化に取り組んでいます。そこから分かったのは、人々が健康であれば、都市の回復力も高くなることです。ブルーゾーンと自治体関係者が注目するのは、地方の政策、教育現場、食料品店、飲食店、そして構築環境です。

オレゴン州のブルーゾーン、クラマスフォールズ (© Dukas Presseagentur GmbH/Alamy)

オレゴン州のブルーゾーン、クラマスフォールズ (© Dukas Presseagentur GmbH/Alamy)

アイオワ州には15のブルーゾーン都市があります。カリフォルニア州は10、フロリダ州とハワイ州にはそれぞれ8つずつあります。その他、9つの州に15のブルーゾーン都市があります。

美しい海岸を誇るハワイ州には8つのブルーゾーンがある (© Greg Balfour Evans/Alamy)

美しい海岸を誇るハワイ州には8つのブルーゾーンがある (© Greg Balfour Evans/Alamy)

例えば、構築環境では、ブルーゾーンは各地域と連携し、歩きやすさ、自転車移動のしやすさ、緑地、公共交通機関の利便性向上に取り組んでいます。これらは、運動促進、大気汚染減少、気候変動からの回復力につながる要素です。

食事では、豆や植物由来食品といった健康的で、気候に負担をかけない食品の調達がスムーズになるよう支援しています。パートナー機関は、都市農業を実施し、よりよい食品流通を構築します。このような取り組みは、健康や環境に直接良い影響を与えます。

アイオワ州のブルーゾーン、シーダーラピッズ (© Zoonar GmbH/Alamy)

アイオワ州のブルーゾーン、シーダーラピッズ (© Zoonar GmbH/Alamy)

ブルーゾーン広報官のナオミ・イマトメ・ユンは、ブルーゾーンが地域の活性化に取り組んでいるのは、アメリカ人の大多数が人生の90%を自宅周辺32キロメートル以内で過ごしているためと言います。

そして各地域の郵便番号に触れ、「この国で長生きできるかは、生まれた場所の郵便番号しだい」と言います。

ノースカロライナ州のブルーゾーン、ブレバード (© Bill Bachmann/Alamy)

ノースカロライナ州のブルーゾーン、ブレバード (© Bill Bachmann/Alamy)

禁煙や運動を促進する条例など、健康的な生活を送りやすい政策を導入する都市では、住民への恩恵は長く続きます。イマトメ・ユンは、地域の積極的な参加が成功への鍵と指摘します。

バナーイメージ:テキサス州のブルーゾーン、フォートワース (© Rob Greebon/Alamy)