今年はアメリカ空軍士官学校、海軍兵学校、陸軍士官学校から女性卒業生第一号が誕生して40年となる節目の年です。

士官学校が女性に門戸を開いたのは、ジェラルド・R・フォード大統領(当時)が1975年に女性の兵学校への入学を認める法案に署名したのがきっかけです。翌1976年夏、女性の入学が実現し、4年後の1980年春には、女子学生が初めて士官学校を卒業しました。

その1人が、スー・フルトンさんでした。女性入学解禁後、陸軍士官学校に入学しました。

スー・フルトンさん。2011年、オバマ大統領からウエスト・ポイント理事会への任命を受けた (Courtesy of Sue Fulton)

スー・フルトンさん。2011年、オバマ大統領からウエスト・ポイント理事会への任命を受けた (Courtesy of Sue Fulton)

フルトンさんは入学当時のことを、「ウエスト・ポイントで勉強できること、想像したことのないレベルで訓練にチャレンジできることに胸が弾んでいました」と振り返ります。「私は当時、国に仕えるという仕事に理想的な考えを持っていて、陸軍で国に奉仕できることに幸せを感じていました」

フルトンさんは陸軍通信隊少尉に任命され、ドイツで軍人としてのキャリアをスタートしました。軍には8年間勤務しましたが、当時の軍則で同性愛者と公表している軍人は勤務が認められていなかったため、1986年に除隊しました。

「卒業の日は心から感動しました。楽しかったこと、つらかったことが思い出され、胸がいっぱいになりました。しばらくはそのことを思い返すことができませんでした。自分にはできないと思っていたことを達成できたのはもちろんですが、それ以上に分かったのは、私たちが社会を変えたということでした」

バナーイメージ:1980年の陸軍士官学校卒業式。式の終わりに空に帽子を投げるスー・フルトンさん (Courtesy of Sue Fulton)