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アントニー・ブリンケンが国務長官に就任

Jan 28, 2021
★★★

リー・ハートマン

米国外交官のトップとなったアントニー・ブリンケン氏にとって国務省への帰還は、職務と親族の伝統の両方を継続する機会になります。

1月26日、米上院はブリンケン氏の国務長官就任を承認しました。これからは、クリントン政権とオバマ政権時代に働いた国務省を率いることになります。公職としてのキャリアは、米国大使を務めた父と伯父の跡を踏襲するものです。

1月19日、第71代米国務長官指名承認の上院公聴会でブリンケン氏は、国際パートナーと協力し、新型コロナウイルス感染症の世界的流行などのグローバルな課題に取り組むと述べました。また、大義のために他国を動かすことのできる米国の能力を高く評価しました。

「多くのことが変わってしまいましたが、それでも不変なものがあります。それは米国のリーダーシップの重要性です」。ブリンケン氏はこう証言しました。しかし、「我々が直面する大きな課題のどれ1つとして、1国だけで対応できるものはありません。たとえ米国のような強い国でもです」と付け加えました。

ブリンケン氏はまた、一族の伝統である公職を継承するのは「神聖な義務」であると表現しました。

そして、迫害を逃れて米国に渡った家族の経験が、米国が世界で果たす役割に関する自身の見解の土台を築いたと述べています。

祖父のモリス・ブリンケンは、ロシアの大量虐殺から逃れ米国に移住しました。継母のベラ・ブリンケンは共産主義のハンガリーから逃れ、後に他の難民が米国に渡るのを助けました。そして、ブリンケンの継父サミュエル・ピサールは、ナチスの強制収容所で4年間を生き延び、死の行進を逃れた後に米軍に救出されました。

「私の家族にとっても、何世代にもわたる米国人にとっても、米国は文字通り地球上で最後の希望でした」。ブリンケン氏は11月24日、バイデン次期大統領が彼を国務長官に指名した後こう語っています。

「私の両親や祖父母の中には、移民、難民、ホロコーストの生存者がいます。彼らや他の多くの人々にとって、米国は地球上で最後の希望でした。彼らの話に触発され、私は公職に就くことにしたのです。米国を最善にするために私は仕えています。将来の世代のため、米国再興の一助になれればと思っています」―― アントニー・ブリンケン 2020年12月15日

「私の両親や祖父母の中には、移民、難民、ホロコーストの生存者がいます。彼らや他の多くの人々にとって、米国は地球上で最後の希望でした。彼らの話に触発され、私は公職に就くことにしたのです。米国を最善にするために私は仕えています。将来の世代のため、米国再興の一助になれればと思っています」―― アントニー・ブリンケン 2020年12月15日

ニューヨーク州ヨンカーズ生まれのブリンケン氏は、公務員や外交官の一族に生まれました。父ドナルドは米空軍で勤務した後、駐ハンガリー米国大使を務め、伯父のアラン・ブリンケンは駐ベルギー米国大使を務めました。

ホロコーストを生き抜いたブリンケン氏の継父は、ハーバード大学に進学し、ケネディ大統領の補佐官を務めています。

ハーバード大学とコロンビア大学法科大学院を卒業後、ブリンケン氏は1993年に国務省に入省。その後、クリントン大統領時代のホワイトハウスでのポストと米上院外交委員会のスタッフを務め、当時デラウェア州選出のバイデン上院議員と親密な関係を築きました。

2008年にオバマ氏が大統領に選出されると、ブリンケン氏はバイデン副大統領(当時)の国家安全保障問題担当副大統領補佐官を務め、後に国家安全保障問題担当大統領副補佐官を務めました。2015年には国務副長官に任命されています。

ブリンケン氏は、気候変動、軍備拡散、新型コロナの流行などの世界的な課題に取り組むため、米国には他国を招集する重要な役割があると繰り返し強調してきました。

「我々は他国と連携していかなければならない」。11月24日、ブリンケン氏はこう発言しています。「我々は他国の協力とパートナーシップを必要としている」

バナーイメージ:新たに米国務長官に就任したアントニー・ブリンケン氏。写真は11月24日、デラウェア州ウィルミントンでの演説 (© Demetrius Freeman/Washington Post/Getty Images)

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