デーブ・レイノルズ

アメリカ政府は国勢調査を10以上の言語で行い、アメリカに住んでいる全ての人を数えます。この10年に1度行われる調査により、議会の議席配分や連邦予算の使い道が決められます。

国勢調査局のスティーブン・ディリンガム局長は3月9日の声明で、「調査は12の言語で行われ、オンラインまたは電話回答が選択できる」と述べ、「住民が調査に参加できる必要なツールを提供し、自分たちの未来をつくり出すよう呼びかけている」と説明しました。

英語・スペイン語以外で最も話されている外国語(国勢調査局の全米コミュニティ調査による)

英語・スペイン語以外で最も話されている外国語(国勢調査局の全米コミュニティ調査による。クリックで拡大)

国内の移民推移を示す国勢調査局の全米コミュニティ調査(ACS)によると、英語以外で最も話されている言語はスペイン語です。しかしながら、質問票はドイツ語、フランス語、日本語、中国語、ベトナム語、韓国語、ロシア語、アラビア語など他の外国語でも書かれており、ほぼすべての住民が自分の母語で回答できます。

全住民のおよそ9%にあたる約1300万人が英語とスペイン語が併記された質問票を受け取ります。国勢調査局は動画でアメリカ手話(ASL)を含む英語以外の59言語で回答手順を説明しています。先に送付した案内に返事がなかった家庭には、調査員が面接訪問を行います。調査員のほとんどはバイリンガルです。

国勢調査は憲法で義務付けられており、1790年から10年毎に実施しています。各州に割り当てられる下院議席数は、4月1日時点の人口に基づいて決定されます。

調査の回答は、政府の消防、学校、病院、道路や橋など国民生活に必要なサービスへの予算配分にも影響します。集計されたデータはさまざまな統計で使われますが、特定の世帯に関する情報が公開されることはありません。

人気子ども番組「セサミストリート」でも国勢調査への参加を呼びかけています。3月9日にはカウント伯爵が国勢調査の重要性を次のように呼びかける動画が投稿されました。

「今年はアメリカに住んでいる全ての人を”カウント”する特別な年。家族一人一人の人数を把握することで、自分たちが住む地域の学校、病院、公共交通機関といったサービスに今後10年でどれくらいの予算が使われるかが決まるんだ。だから家族全員の数をきちんと数えること!」

調査の案内は3月中頃に各家庭に発送されており、調査員による面談調査は春から7月にかけて実施されます。しかしCOVID-19の影響により訪問調査が遅れるかもしれません。国勢調査局は今後の動向を確認していきます。