エミリー・ルイーズ・ボウマン

日本では、11月23日~26日のローマ教皇フランシスコによる歴史的な訪日に向けた準備が進んでいます。米国とローマ教皇庁もまた、平和、正義、人間の尊厳に向けたパートナーシップの大きな節目を迎えます。

ロナルド・レーガン大統領は1982年、カトリック教会の総本山であるバチカン市国を訪れ、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世と会見しました。そして1984年、米国とローマ教皇庁は正式に外交関係を樹立したのです。

「そうすることで両国は、米国建国以来続いてきた結びつきを正式に承認したのです」。カリスタ・ギングリッチ在バチカン米国大使は7月、このように述べました。

上段左から:ロナルド・レーガン大統領とローマ教皇ヨハネ・パウロ2世。ジョージ・H・W・ブッシュ大統領とヨハネ・パウロ2世。ビル・クリントン大統領とヨハネ・パウロ2世<br /> 下段左から:ジョージ・W・ブッシュ大統領とローマ教皇ベネディクト16世。バラク・オバマ大統領とローマ教皇フランシスコ。ドナルド・トランプ大統領とフランシスコ (All images © AP Images)

上段左から:ロナルド・レーガン大統領とローマ教皇ヨハネ・パウロ2世。ジョージ・H・W・ブッシュ大統領とヨハネ・パウロ2世。ビル・クリントン大統領とヨハネ・パウロ2世
下段左から:ジョージ・W・ブッシュ大統領とローマ教皇ベネディクト16世。バラク・オバマ大統領とローマ教皇フランシスコ。ドナルド・トランプ大統領とフランシスコ (All images © AP Images)

2017年の任命以来ギングリッチ大使は、宗教の自由、人身取引撲滅、カトリック教会内の女性の役割に焦点を当て、大使館の活動を進めてきました。

マイク・ポンぺオ国務長官は2019年、2人の修道女の貢献を認め、在バチカン米国大使館が表彰を行いました。「国際勇気ある女性賞」を受賞したシスター・オーラ・トリーシーさんは、南スーダンの強制結婚から少女を守り学校教育を行うという勇気ある取り組みが認められました。もう1人は、「人身取引廃絶に向け戦う英雄賞」を受賞したシスター・ガブリエラ・ボタニさんです。ボタニさんは「タリタクム」という反人身取引組織のリーダーで、人身取引の撲滅に向け世界中で活動しています。

在バチカン米国大使館とローマ教皇庁は10月2日、シンポジウムを共同開催しました。参加者は、政府と宗教系組織が連携して信教の自由を守る方策のほか、人身取引廃絶に向けた戦いと人道支援の提供を中心に協議を行いました。このシンポジウムは、7月にワシントンで行われた「宗教の自由を促進する閣僚会議」を受けて開催されたものです。

「世界中に広がるカトリック教会は、理想的な同盟相手です」。ギングリッチ大使は2018年の国連会議でこう述べました。「信頼を醸成し、地域社会と連携し、変化を実現する独自の能力は、他のどの国民国家にも見られないものです」