かれん・ケリー 在日米国大使館 報道官

Secretary Kerry at Zozoji Shrine

増上寺で子どもを抱き上げ、ほほ笑むケリー長官

4月14日日曜日、中東、ロンドン、ソウル、北京訪問を終えたジョン・ケリー国務長官が、日本に到着しました。今回は、国務長官として初めての訪日です。都内へと向かう途中、国務長官の車列が立ち寄ったのは増上寺でした。1393年に開山し、江戸時代には徳川将軍家の菩提寺でもあった歴史上有名なお寺です。ケリー長官の一行は、のどかな境内を散策し、1879年にグラント米国大統領が訪日した時に植樹し、日米両国の変わらぬ友好と同盟の象徴となっているヒマラヤ杉を見学しました。

日本到着から1時間もたたないうちに、ケリー長官は、ジョン・ルース駐日米国大使が主催した日本の若者との交流会に出席し、日米パートナーシップの強化に取り組むTOMODACHI世代の学生20人と対話しました。ケリー長官は、参加した将来の日本のリーダーたちに、米国をはじめとする各国の若者とこれからも緊密に協力し、世界が直面する課題に対し協力して取り組む解決策を考えだしてほしいと激励しました。

Secretary Kerry with solar-powered car

TOMODACHIイニシアチブの支援を受けて作られたソーラーカーに驚くケリー長官

同じく14日、ケリー長官は岸田外務大臣と会談し、日本および各国の報道関係者を前に共同記者会見に臨みました。ケリー長官と岸田外相は、地域の平和と安全保障を支える日米同盟の強化について語り、最近の北朝鮮による挑発行為への対応に関する報道陣の質問に答えたほか、シリアの危機、イラン問題、中東和平といった地球規模の問題にも言及しました。

Secretary Kerry with Foreign Minister Kishida

共同記者会見が終わり握手する岸田外相とケリー長官

翌4月15日の朝、長官の車列は、普段は静かな目黒区の通りを東京工業大学に向かいました。「21世紀の太平洋のパートナーシップ」と題する講演を行うためです。東工大はアジア有数の研究機関のひとつで、外国人留学生の比率が約13%と、その高さを誇っているだけに、さらなる地域協力の可能性を議論するには格好の場でした。長官は講堂内の600人の聴衆に加え、テレビ中継やライブストリーミングを視聴している大勢の人々に向けて、米国のアジア太平洋地域における「リバランス(再均衡)」を強調し、安定し、民主的で、繁栄する地域を実現する「太平洋の夢(パシフィック・ドリーム)」について語りました。

Secretary Kerry at the Tokyo Institute of Technology

東工大でのケリー長官の講演

講演の後、長官は官邸で安倍首相と会談し、朝鮮半島の非核化をはじめとする地域および地球規模の差し迫った問題、非常に重要な日米の安全保障同盟の強化、そして環太平洋パートナーシップ(TPP)交渉への参加に対する日本の関心の推進について協議しました。

その日の午後に行われた大使館職員やその家族との交流の集いで、ケリー長官は、2011年3月11日の東日本大震災と、それに続く津波と原発事故の後、日本の人々を支援してきた彼らの取り組みをたたえました。また、この重要な2国間のパートナーシップを育み、深化するために努力しているルース大使と在日米国大使館・領事館に対し、感謝の言葉を贈りました。

こうした激励の言葉を残し、ケリー長官一行は、地球を一周する10日間の旅を無事終えて、帰国の途に就きました。私たちは、長官を乗せた政府専用機が再び東京に降り立つ日を今から心待ちにしています。


Karen Kelley, Press Attache at the U.S. Embassy in Tokyo

かれん・ケリー
2010年6月、在日米国大使館報道官に着任。日本勤務は4回目で、これまでに東京アメリカンセンター、関西アメリカンセンターおよび在沖縄総領事館で広報・文化交流を担当した経験を持つ。他にもカメルーンとフィリピンの米国大使館で報道官、ハワイ州アイエーアの米国太平洋軍司令部で広報・文化交流アドバイザー、国務省東アジア太平洋で日本副部長および日本部長代行を務めた。ニューヨーク州のシラキュース大学で学士号(専攻はフランス語・フランス文明および国際関係学)を取得。