米国は同国のインド太平洋戦略を、太平洋からインド亜大陸まで広がる地域への「揺るぎない永続的な取り組み」と表現しています。
「米国民と全世界が、インド太平洋地域の平和と繁栄に関心を寄せています」。この構想を発表した2018年に、ポンぺオ国務長官はこう述べました。「だからこそインド太平洋地域は、自由で開かれていなければならないのです」
経済、統治、安全保障の3分野に重点を置くこの構想は、7月30日から8月5日にかけてのポンぺオ国務長官によるこの地域訪問の焦点となるでしょう。長官は最初にバンコクを訪れ、東南アジア諸国連合(ASEAN)の外相と会談した後、メコン河下流域開発の会合に参加します。また、オーストラリアとミクロネシア連邦も訪問します。
米国の経済パートナーシップ
この地域に対する米国の経済的な関与が、自由で開かれたインド太平洋地域という目標の核となります。米国よりインド太平洋地域に投資している国は他にありません。2018年時点で米国は、9400億ドルを直接投資しており、地域の成長に拍車をかけています。
「米国企業の取引では、見たものをそのまま得られると世界中が理解しています。正直な契約と正直な条件のことです。帳簿に載せないような不正はありません」。ポンぺオ国務長官は2018年の演説でこう述べました。
世界人口の3分の1と、世界の6大経済大国中4カ国を擁するこの地域の繁栄拡大のため、米国は2018年に、民間投資以外にも1億1000万ドル以上を、デジタル、エネルギー、インフラ事業の支援に支出する概略を提示しました。
一例として、米国、オーストラリア、日本、ニュージーランドが、2030年までにパプアニューギニアの70%を電化し明かりをもたらすインフラ整備で連携しています。
「ハリウッドからボリウッドへの」安全保障
この構想の安全保障分野では、米国は地域諸国と軍事訓練および海洋安全保障で連携しています。軍指導者が非公式に「ハリウッドからボリウッドまで」展開すると称する米インド太平洋軍が、この取り組みを主導しています。
米国は「シップライダー」制度で地域諸国を支援しています。この制度では、沿岸諸国の司法機関職員が米国艦船に乗船して航海し、各国の排他的経済水域における違法活動を取り締まることができます。また同制度により、人身売買や違法薬物の密輸を取り締まることもあります。
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