日本の高校の先生は、アメリカの推薦状スタイルについて多くを知りません。私が大学のアドミッションオフィスで働いている時に読んだ推薦状の多くは、必要以上に格式ばったものであったり、生徒の従順さや協調性を強調しているもの、あるいは成績のことだけを書いてあるものでした。
しかし、このような推薦状は効果的ではありません。推薦状の目的は、あなたの生徒の素晴らしさを大学側に伝え、感心させることにあるのです。
大学側が求めているのは、いかに生徒が高校に上手く適応していたかをつづった推薦状ではなく、生徒個人が達成したことに焦点をあてたものです。この生徒はアメリカの大学のような国際的な環境でうまくやっていけるのか。この生徒の卓越している点は何か。同級生や学校とのかかわり方。他の生徒にいい刺激を与えて模範となっているか。アメリカの大学が求めているのは、このような特性です。
アドミッションオフィスの担当者が成績証明書を見れば、生徒が優秀な成績を修めているかどうか分かります。先生からの推薦状の役割は、成績では測れない生徒の良さにスポットライトをあてることにあります。
推薦状には以下の3つのポイントを盛り込みましょう。
1. 生徒が履修したクラス
生徒が履修したあなたのクラスについて簡単に説明。ここの記述は簡潔に。
2. クラスの特徴
教科の具体的な内容、先生の所見、生徒のクラスでの様子、勉強した内容が生徒の将来とどのように関係しているのかについて書きましょう。
3. 生徒の資質と授業への参加度
授業の様子から分かる生徒の資質や特性を書きましょう。生徒の人間性や性格が分かるようなエピソードや具体例をできるだけ入れましょう。
推薦状について学ぶ最適な方法は、実例を読んでみることです。具体的にアメリカの推薦状の文例を見てみましょう。
文例1:学業成績が優秀な生徒の場合
"ハナさんは桜高校在学中、10個の上級クラスを履修するなど、非常に難しい複数の科目を履修しました。彼女は全てのクラスで優秀な成績を修め、成績は常に学年上位10%以内に入っています。卒業までには、大学相当レベルのコースを2つ終了すると思われます。"
文例2:課外活動に熱心な生徒の場合
"タロウさんが優秀な生徒であったことは成績証明書から明らかですが、彼は私が桜高校で出会った生徒の中で一、二を争うほど活動に熱心な生徒です。彼の成績表や出願書類では、この部分があまり強調されていないかもしれません。正直に申し上げると、桜高校の課外活動や部活動の数はあまり多くありません。たいていの生徒は2つの課外活動を行い、どちらか1つ、または両方ともスポーツというケースが通常です。タロウさんの場合は、5つの課外活動を掛け持ちし、高校3年間非常に熱心に打ち込んでいました。一方で、大学進学のためアルバイトも行っていました。彼の活躍の場はこの学校内に収まりきれません。彼は制約がある中でも果敢に何かを成し遂げようとする気概を持っており、どこの大学に進学しようと、そこの基準を超え活躍できる人物であると確信しています。"
生徒が先生に求めているのは、自分がどのような生徒であったかを簡潔に紹介し、大学のアドミッションオフィスにテストの点や成績だけでは測れないものを伝えてくれる推薦状です。良い推薦状とは、生徒を輝かせるものなのです!
やるべきこと:
- アドミッションオフィスの担当者がその生徒のことを感心するような内容にする
- 具体例を挙げる
- 要点は簡潔に。長さは重要ではありません。生徒をサポートできる喜びの気持ちを伝えるには1ページで十分です。
- 生徒のことをどのくらいの期間知っているか。また、知るようになったきっかけ(学校のクラス、課外活動、個人的な理由など)
やってはいけないこと:
- 生徒に焦点を合わせず学校の歴史を長々と説明したり、授業の内容を細かく説明すること
- 推薦状の一般的なひな形を使うこと
- 余白を埋めるために、あまり意味のない言葉を使うこと
- 生徒の経歴を単にまとめること
このシリーズの記事は、以下のページをご覧ください。
第1回 アメリカの大学は皆さんを待っています!
第2回 テーマは自由!650語のエッセイで差をつけよう
第3回 重要な課外活動
第4回 ポイントは6つ!印象に残る推薦状を書いてもらおう
EducationUSA主催のアメリカ留学イベントは、こちらのウェブサイトをご覧ください。
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